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【エコアルフの素材とは?】ペットボトルの再生方法、そして私たちの思い。

ECOALF

  • 2023.7.20

「第2の地球はないのだから」とスローガンを掲げるエコアルフが力を注ぐのは、何よりも原材料。そのすべては地球から生まれているだけに、次世代にも持続可能な資源を残すことが使命だと考えています。今回は、ブランドの柱のひとつ、ペットボトル再生のポリエステルを採用する理由を中心に、私たちの思いをお伝えします。

廃棄物に新たな価値を与えるエコアルフの素材使い

「未来を担う子どもたちに、ボロボロの地球を渡すわけにはいきません」。代表のハビエル・ゴジェネーチェが、幾度となく口にする言葉。国連が掲げるSDG’S(持続可能な開発目標)にも、サステナビリティに関する指標が複数存在します。服作りにおいて、それを実現するには、再生素材の使用は不可欠なのです。サステナブルな素材と聞くと、主に有機(オーガニック)素材と再生(リサイクル)素材がありますが、エコアルフでは、後者を優先しています。それは、より環境負荷が低いと考えるから。さらには、天然資源の使用量を軽減できるのも大きな理由です。

エコアルフが使う再生素材は、主に6つ。
1)ペットボトル
2)破棄された漁網
3)廃タイヤ
4)コーヒーのカス
5)古着などの廃棄されたコットン
6)古着などの廃棄されたウール

これらを使用することで、①CO2排出の削減、②水の消費量削減、③有害化学物質使用の回避、④天然資源の最小限使用などが、実現可能となります。また、いずれもゴミとなってしまうものですが、そこに新たな価値を与えることで、「ゴミ=ムダにはしない」という強いメッセージも発信しているのです。

リサイクルポリエステルとは?

ペット(PET=ポリエチレンテフタレート)ボトルは、全世界で1分に約100万本消費されているといわれます。ただ、10本のうち7本は再生されることなく、焼却あるいは、埋立地に廃棄されるのです。エコアルフで使用するリサイクルポリエステルは、主にこうした使用済みのペットボトルと海洋ゴミのペットボトルを原料としています。その再生方法は、PETを化学的に分解し、フレークないしはペレットに形成する、ケミカルリサイクル。この方法で生まれた、純度が高く品質がよいリサイクルポリエステルは、ほとんど無限にリサイクルすることができるのです。このため、リサイクルポリエステルは、循環系システムにおいて重要な位置を占めています。

これにより、非リサイクルPETに比べて、水消費20%、エネルギー消費50%、温室効果ガス60%の削減を実現します。

エコアルフで使用するリサイクルポリエステルは、GRS=グローバル・リサイクルド・スタンダードと呼ばれる認証を受けたものです。リサイクル原料を回収から製造、販売に至るまでを管理。有害物質の混入をはじめとする物質的な品質面のみならず、労働環境などの倫理面も審査項目に設けられており、この認証を受けた製品は、厳しい基準を満たしたものとなっています。

再生ペットボトルができるまで

回収されたペットボトルは、圧縮されて工場へ。人の手も介して選別・洗浄されます。

粉砕され、不純物が取り除かれたPETは、ケミカルリサイクルと呼ばれる方法で、モノマーと呼ばれる分子レベルにまで分解。そこからペレット状に成形されます。その間も人の目によるチェックが行われています。

ペレットから紡績工程へ。純度の高いPETは、繊維としても高品質に。この繊維をもとに衣服などに使用するファブリックを織り上げていくのです。

エコアルフ渋谷では、こうしたおおまかなリサイクルの流れを、子どもでもわかるようにグラフィカルなディスプレーにしています。

リサイクルポリエステルをもっと身近に

軽量で丈夫、ファブリックとして汎用性の高いポリエステルは、エコアルフにおいても、さまざまなアイテムで使用しています。もちろん、これらは100%リサイクルポリエステルです。

海への思いが強まるUTOって?

エコアルフでは、独自に財団を立ち上げて、UPCYCLING THE OCEANS=UTOと銘打ったプロジェクトを主導しています。目的は、海洋ゴミを回収・分別・再生し、製品として新たな命を吹き込むこと。エコアルフが使用するリサイクルポリエステルの中には、このUTOの活動によって回収された海洋ゴミとなっているペットボトルも含まれています。

2015年、スペインで立ち上げ、2017年にはタイにも展開、2019年からは日本での活動も視野に入れ、三陽商会とともにプロジェクトは発足しています。なおスペインでは40の港で、タイでは5箇所、のべ3000人以上の漁業関係者が携わる一大プロジェクト。2015年以降、累計約500トンものの海洋ゴミを回収してきた実績もあります。

エコアルフでは、こうした活動をサポートする「UTOコレクション」を展開しています。海洋から回収されたペットボトルを地上由来のものとミックスして生まれたニット素材を使用したスニーカー。軽量で通気性が良く、トレンド感のあるニット素材は、機能的にも秀逸。肩肘張らず、スタイリッシュなスニーカーを履くことで、気負うことなく海洋ゴミ削減に貢献できると考えています。

撮影/村本祥一<BY THE WAY> 文/高村将司 ディレクション/Pomalo inc.