メンズ&ウィメンズディレクターが語る2023年秋冬シーズンカタログ
今回は、ポール・スチュアート恒例の「ディレクターによるカタログ解説」です。メンズのディレクションを担当する鴨志田康人も、ウィメンズの見上きよみも、語るほどに熱が帯びてきて、商品説明やコーディネートする姿は、真剣ですがとても楽しそうです。
見上きよみは、「ビジネスシーンでの暗黙のルール、たとえば、ジャケットには白のブラウスを着る、パンプスを合わせるなど、明文化されていない社会のルールに自分が縛られてしまう。制服的な着こなしはある意味ラクですが、オフィスでももっとおしゃれを楽しんでいただきたい。ブランドの務めは、ウキウキするような旬のカラーやアイテム、シーズン素材の感触を楽しむコーディネートの提案です。見えないルールから自分を解き放って、新しい自分を発見してください」とメッセージ。
鴨志田康人は、「今、自分の気分はブルージーンズなので、英国製の洗練された色柄のジャケットにレトロなプリントのネクタイを合わせて、デニムを穿きこなす着こなしが一番楽しい。今の世の中、社会に帰属意識を持つより、自分らしくいられる方が大事です。洋服はそれを手助けしてくれる重要なものの一つなので、ポール・スチュアートのお客様から、無難を脱しましょう」と語ります。
お客様のお手元にある秋冬カタログをめくりながら、二人の熱き思いをお楽しみください。
Photo. Yoshimi Seida / Text. Makoto Kajii
Edit. FUTURE INN
秋冬カタログのモデルが、ビジネスマン的なストライプのスーツではなく、カントリージェントルマンのスタイルを装っている理由
ポール・スチュアートメンズの今シーズンのテーマは「So British」です。ポール・スチュアートは、“ブリティッシュ・アメリカン”という独自のスタイルを表現・提案してきたブランドですが、今季は、いつもよりブリティッシュ色を濃くしたい、「So British=とってもブリティッシュな気分」です。
メンズファッション全体の近年の潮流は、スポーティー、コンフォート、エフォートレス、メンテナンスフリーなどがキーワードで、ビジネスウェアにも軽量&快適な機能性が備わったシンプルですっきりした佇まいが求められましたが、とても無味無臭で無難な感じがして、何も記憶に残らない物足りなさを感じていました。
今シーズンはその真逆で、英国調を色濃く打ち出したスタイリングが、新鮮に見えてカッコイイ。ポール・スチュアートの原点に戻った感じですが、味わいのある着こなしの面白さを、若い世代にも感じてほしいと思います。
秋冬カタログをご覧になった方はお気づきになっているかと思いますが、今回はウイスキー蒸留所でのロケーションで、英国の上流階級のオーナーが蒸留所を見に来たというストーリーが隠されています。なので、オーナーはビジネスマン的なストライプのスーツではなく、カントリージェントルマンの装いをしています。
カタログの表紙のスーツは、色の深みを感じる味のある素材ですが、手に取るとジャリッとした感触がある、秋冬らしい一着で、表紙をめくると、ツイードのネイビーブレザーが登場します。
スーツなどドレススタイルは、オーセンティックなスタイリングが多いですが、カジュアルでは、ノーカラージャケットにボーダーのタートルニットを合わせたり、コーデュロイのカバーオールに品良くスカーフを巻いたり、面白みのある着こなしも見どころの一つです。
ポール・スチュアートのシーズンコレクションは、「自分だったらどう着る」を大切に考えて企画しています。良いものはエイジレスだし、普遍的な完成度の高い服は、ずっと着られます。昔からそういう服が一番格好良いと思っています。シンプルに自分が好きなものを提案するほうが、リアリティがあって面白いですし。
ウィメンズコレクションを彩る、美しいカラーと秋のツイード
今シーズンのポール・スチュアート ウィメンズのテーマは「SUITS YOU」。 「似合ってるね!」とても嬉しい褒め言葉です。そしてポール・スチュアートが得意とする「スーツスタイル」にも掛け合わせていて、サイズ・シルエット・着丈・色・素材など、難しく考えなくても“オシャレに見える”、“自分が似合う新しい服”に出合える喜びにスポットを当てたコレクションを展開します。
テーマの「SUITS YOU」は、70年代のアメリカから見るブリティッシュスタイル。今季は、ハウンドトゥース、グレンチェック、チョークストライプなどメンズテイストのスーツ素材を使ったセットアップをはじめ、赤と黒をテーマカラーにしてグッとモード感を出したチェックやツイード、差し色では、赤やボルドーなどをアクセントに効かせた軽快なスタイリングを演出します。
ビジネスシーンでは、グレーやネイビーが定番ですが、今シーズンはネイビーに合わせる紫系の“モーブ色”を提案するなど、「きれいな色を着てほしい」ですね。
今季は、ブラウスのバリエーションも豊富で、モーブや濃いターコイズブルーなどカラーも新鮮です。また、秋冬を彩るコートは、“The 70’s”のクラシックなコートや、毎年恒例のピーコートをはじめ、ビジネス以外のコレクションでは、私が着ているブルーのモヘアのオリエンタルなムードのカーディガンやゆったりとしたパンツ、パープル系のフラワープリントが美しいワンピースや、“コート未満、カーディガン以上”のツイードのカバーアップコート、同じカラーリングで編み上げたニットベストなどがお勧めです。
「SUITS YOU」というテーマは、「着こなしの固定概念を一度外して、似合うものを見つけ直してほしい」という私からのメッセージです。 新しい季節に、新鮮な色やカタチに挑戦して、新しい自分を発見してください。着てみると似合うものばかり揃っています。
ポール・スチュアート 青山本店
TEL 03-6384-5763
東京都港区北青山二丁目14-4 ジ アーガイル アオヤマ 1F
営業時間 11:00~20:00
併設するバー「THE COPPER ROOM(ザ コッパー ルーム)」
18:00~24:00 ※同一テーブルでの会食は4人以内
※酒類の提供を再開しております
これまで同様、感染防止対策を徹底し営業いたします。
ご不明な点がございましたら、ショップまでお問合せください。