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SANYO ONLINE STORE > SANYOCOAT|時代を超えて蘇る極上の“シルクコート”が誕生
ふたつの歴史と
ふたりの審美眼が生み出した、
4着のコート
1946年に誕生した、日本を代表するコート専業ブランド、SANYOCOAT。そして1938年にニューヨークのマディソン街45番地で創業した、アメリカの高級紳士服店Paul Stuart。世界に冠たる歴史と実力で知られるふたつのブランドが、この秋初めてタッグを組んだ!
Paul Stuartが考える究極のクラシックを、SANYOCOATが誇る高度な技術力で具現化するという、記念すべきコラボレートの舵取り役を担ったのは、ふたりの日本人ディレクター。数多の有名ブランドを手掛け、ヴィンテージウエアに対する造詣の深さでも名高い、SANYOCOATのクリエイティブディレクター、坂田真彦氏。日本のセレクトショップ文化を黎明期から支えた名バイヤーにしてウェルドレッサー、そして現在はPaul Stuartの日本におけるクリエイティブディレクターを務める鴨志田康人氏。
ふたつのブランドのヘリテージと、ふたりのディレクターの審美眼とが交錯することによって生まれた4着のコートは、ヴィンテージショップでも見つからない、いわば〝ヴィンテージになりうるコート〟だ。次世代にまで引き継げるクオリティの生地。機能美と嗜好性を兼ね備えたディテールの数々。そしてありそうでなかった、日本人に合うシルエット・・・。
世界中の名品を見続けてきた紳士たちや、目の肥えたヴィンテージマニアをも唸らせるその全貌を、隅々までご覧あれ。
Master Shield Riding Coat
1960年代に英国の騎兵隊が着用していたという乗馬用コートを、英国空軍にルーツをもつ超高密度織りの防水コットン「マスターシールド」に置き換えてアップデートさせた、ライディングコート。
トラックの幌を超えるはっ水性を持つという、ミリタリー由来の伝説的なヘビーウェイト生地を採用しながらも、設計上の工夫や手縫いを駆使した仕立てによって、襟から肩にかけて丸く柔らかな表情に仕上げられている点がポイントだ。深く切り込まれたインバーテッドプリーツも相まって、そのシルエットは実に贅沢でエレガント。
パリやロンドンのヴィンテージショップにいる若者のような、スウェットや色落ちしたジーンズを合わせた着こなしがおすすめ。フレアに見えるほどのストレートジーンズや、シルクスカーフと合わせれば、コートのAラインも活かされて、ほどよくシックな着こなしが完成する。
Tweed Riding Coat
スコットランドの老舗織物メーカー、ラバットミル社のツイード生地「エトリック」で仕立てたライディングコート。現地では主にハンティングウエアに使われるという、自然の風景や色柄が織り込まれたその生地は、なんと目付け(150×100㎝あたりの重さ)640g!コートの美しいパターンと相まって、見事なドレープを描き出す。既製品ではまず見ないレベルのヘビーウェイト生地に加え、ブライドルレザーで巻いたバックルや、サテンとフランネルを切り替えた裏地など、その嗜好品としての存在感はビスポーク級だ。
もちろんクラシックなスタイルによく似合うが、ちょっと捻っても面白い。真っ赤なシェットランドニットで英国紳士っぽさを取り入れつつも、シャツの裾を覗かせたり、ワイドなパンツを合わせて、ラフに遊んでみよう。襟を立てたり一番上のボタンだけ留めて着るのも、コートのAラインシルエットが強調されるのでおすすめだ。
Master Shield Trench Coat
SANYOCOATのアイコン『100年コート
極KIWAMI』を、英国空軍由来の超高密度織りはっ水コットン「マスターシールド」に置き換えたトレンチコート。ベルトのDリングやエポーレットなどのディテールが相まって、ミリタリーテイストを色濃く感じさせる佇まいだが、そのシルエットは体を包み込みながらフレアする優雅なAライン。袖を通せば意外にも都会的な印象だ。生地の重みを肩ではなく体全体に分散させるパターン設計により、着心地も素晴らしい。ヴィンテージとして次世代に託せる、まさしく一生モノを超えたトレンチコートである。
ツイードジャケットにチョークストライプのトラウザース、クレリックカラーシャツに小紋柄のネクタイ・・・。そんな、これぞジェントルマンスタイル!といった装いに、ウエストコートがわりに着込んだバスケシャツを覗かせて、ひと匙のストリートテイストをプラス。本物のクラシックトレンチの魅力とは、少々の毒気や違和感では揺るがないほどの包容力にあるのだ。
Tweed Trench Coat
こちらは『100年コート
極KIWAMI』を、1868年にスコットランドで創業した、ラバットミル社の名作ツイード「カークトン」でアレンジしたトレンチコート。目付け500gとかなりのヘビーウェイトだが、SANYOCOATの独自設計により、袖を通すとそれほど重さは感じさせず、そのクラシックな風合いを現代の装いで楽しめる。4着のコート全般に言えることだが、このクオリティの生地とディテールをもちながら、現代でも着られるシルエットとコンディションを兼ね備えたコートは、今やヴィンテージ市場にはほぼ出回っていない。
スコットランド製ツイードの奥深い色柄を際立たせながらもフレンチシックに見せる、全身ブラックの装いがおすすめだ。ベルトはギュッと絞って、シルエットのメリハリを強調しよう。ちなみに写真のトラウザースはウールではなくレザー製。そんなさりげない遊び心を受け止める懐の深さも、このコートの魅力である。
Paul Stuartと
SANYOCOATが生み出した、
4着のコラボレーションコート。
立役者であるふたりの
クリエイティブディレクターが、
初の対談を通して、
その制作秘話と
コートにかけるこだわりを
語り尽くした。
- 今回のコラボレートは、どのような形で実現したんですか?
- 坂田 ぼくからお願いしました。やっぱりバルカラーコート姿の鴨志田さんのイメージがすごく印象深くて、『100年コート』のアニバーサリーモデルをどうしても着てもらいたかったんです。その流れでご相談させて頂いたという。
- 鴨志田 それはもう、こっちにとっては願ってもない話じゃない?せっかく同じ会社でやってるんだし、自分としても、もっとコラボレーションしていきたいと思っていたので。バイヤー時代から、日本で一番いいコートを縫うファクトリーといったら、SANYOCOAT(※)でしたから。
- 坂田 長年ものづくりに携わってきた自分としても、SANYOCOATの技術には驚かされました。今まで表現しきれなかったAラインのシルエットが、ここで縫ってもらったらうまくできたんです。それはやっぱり、イセ込みと、縫製の技術が優れているんですよ。脇線にかけて、布地を引っ張りながら縫う「引き縫い」という技術を使っているのですが、これがきれいに蹴回しが広がる秘訣です。
- 4モデルの制作については、どのように進められたんですか?
- 坂田 ツイードに関しては、鴨志田さんから“フレンチ”という具体的なキーワードを掲げて頂きましたが、コットンに関しては、逆に「ヴィンテージで面白いのある?」みたいなお題をぼくに投げて頂きました。そこで、ちょうど自分が持っていたUSアーミーのトレンチコートのライニングやディテールが珍しかったので、お見せしたんです。そうしたテーマをもとに、ディスカッションを重ねながら制作を進めました。
- 坂田さんにとって、鴨志田さんとのお仕事はいかがでしたか?
- 坂田 ひとつひとつが楽しかったです。本来なら表地に使うような高級な生地を、「重くなってもいいんじゃない?」なんてライニングに選ばれたりするので(笑)。パイピングの入れ方ひとつとっても、深い知見をお持ちでした。でも本当にすごいのは、昔のモノはもちろん今のモノもよくご存知で、その知識や体験を自在に行き来しながらコラボレーションができるところでしたね。
- 鴨志田 教科書っぽいものづくりってイヤだもんね(笑)。ぼくはクラシックとかトラッドの畑にいると思われがちだけど、クラシックの定義って、もっと曖昧でいいと思っているんですよ。モードとの境目なんて実はないと思うし。でも、今の自分がそういう風に思えるのって、たくさんの古着を見てきたからなんですよね。坂田さんは、意外とこの業界では数少ない、そういう感覚をわかっておられる人。だから仕事でも仕事抜きでも(笑)、会って話すのが楽しいんです。カテゴリーに囚われた話なんてつまらないし。
- 坂田 光栄です(笑)。
- 鴨志田さんは今回のコートの出来栄えに関しては、満足されていらっしゃいますか?
- 鴨志田 なんせ重いので(笑)、それだけは覚悟してもらいたいんだけど、これから何十年も着続けられるコートができたのは間違いないし、現代でこういうものをつくれるメーカーやブランドって、世界中を探してもないでしょう。だから相当ユニークなものができたと思いますよ。
- やっぱり世界的に見ても、こういうコートをつくれるファクトリーは減っているんですか?
- 鴨志田 新品ではなかなかね。イギリスで1社、イタリアでは技術があってもこのテイストのコートはつくれないでしょう。間違いなく10社はない。
- 坂田 今やライニングを取り外せるトレンチをつくるだけでも大変ですよ(笑)。襟付けのハンドワークや、貫通ポケットのディテールなんて、なかなか難しいですから。いいコートを手にいれる上ではヴィンテージという選択肢もありますが、最近は若い子たちを中心に世界的な古着ブームになってきて、価格はかなり高騰しています。当然いいサイズやコンディションのものは入手しにくくなっているので、そういう意味でもこのコートは貴重だと思いますね。
- 4モデルの中で、鴨志田さんのお気に入りのモデルってどれですか?
- 鴨志田 やっぱりバルカラーなんですけど、自分では苦手意識のあったツイードのトレンチが、ものすごく格好よかったです。このボルドー気味の色、最高ですよね。こういうのを着こなすときはコーディネートが大切で、キメすぎずにあえてデニムを合わせたり、スウェットの上に羽織っちゃうのがおすすめかな。
- 坂田 ぼくはチェックにチェックとか、ちょっと趣味悪くなるギリギリのところで着こなしたいタイプなんです(笑)。デヴィッド・ホックニーみたいに。
- 鴨志田 ホックニー、いいよね。表現の手法は違えど、坂田さんとは同じ思想を感じるな(笑)。
- 今回のコートは、こんな人に着てもらいたい!的な気持ちはありますか?
- 坂田 ぼくとしては、服好きの方だけではなく、自分のような古着好きにも着てもらいたいという気持ちがありますね。そういう人たちを満足させられるようなものができたし、個人的にいうと古着のウールのコートって、どうしてもニオイが気になって着られないので(笑)。
- 鴨志田 あのニオイ、なぜか消えないからね(笑)。ぼくは、この面白さを分かってくれる人なら、どなたにでも着てもらいたいかな。古着好きな方にもガンガン着倒してもらいたいし、トラッド好きな方にも新鮮に思ってもらいたい。年齢なんて今や関係ないですからね。
※SANYOCOATの縫製を手がける「サンヨーソーイング青森ファクトリー」のこと。
鴨志田康人 / Paul Stuart Japan ディレクター
オフィスカモシタ代表。ビームスを経て1989年にユナイテッドアローズの設立に参画。そのバイイングや商品開発、そして自身の装いを通して、世界のクラシックファッション業界に最も大きく影響を与え続けた立役者のひとり。現在はPaul Stuartの日本におけるクリエイティブディレクターを務めるほか、国内外のブランドやショップのディレクションに携わる。
坂田真彦 / SANYOCOAT クリエイティブディレクター
アーカイブ&スタイル代表。国内外の様々なブランドのディレクターを歴任し、2006〜2013年にかけてはヴィンテージストアのオーナーとしても活動。メンズファッションのみならずアートやカルチャー全般における深い造詣を生かし、生地開発からプロダクトデザイン、空間ディレクションまでを手がける、唯一の存在だ。2023年秋冬コレクションから、SANYOCOATとS.ESSENTIALSのディレクターに就任。
ITEMS
店舗情報
- SANYO ESSENTIALS 日本橋髙島屋S.C. 店(新館3階)
- SANYO ESSENTIALS 大丸東京店(6階)
- SANYO ESSENTIALS ジェイアール名古屋タカシマヤ店(6階)
- SANYO ESSENTIALS 阪神梅田本店(3階)
- 三陽山長 東京ミッドタウン日比谷店(2階)
- 三陽山長 粋 東京ミッドタウン八重洲店(1階)
- ポール・スチュアート 青山本店
- ポール・スチュアート 東武百貨店池袋店(中央館5階)
- ポール・スチュアート 阪急メンズ大阪(メンズ館4階)
- ポール・スチュアート 松坂屋名古屋店(北館3階)
- ポール・スチュアート 岩田屋本店(本館5階)
SANYO COAT POP UP STORE 詳しくはこちら >
※数量限定の為、一部の店舗ではお取り扱いがない場合があります。詳しくは店舗へ直接お問い合わせください。
期間限定イベント
鴨志田康人氏と坂田真彦さんも来場!
コラボレートコートの
POP UP STORE
2024年の10月12日(土)〜13日(日)、今回ご紹介したPaul Stuart×SANYOCOATのコラボレーションコートが一堂に会するポップアップストアを開催します!
会場となる神楽坂の「Atelier Mon Oncle」には、鴨志田康人氏と坂田真彦氏も来場されるので(時間未定)、そのコートのこだわりを直接伺えるチャンス。期間内にご購入された方には、鴨志田氏と坂田氏がコートに合わせて選んだヴィンテージのネックウエアをプレゼントしますので、ぜひこの機会をお見逃しなく。イベントの詳細については、Webマガジン「ぼくのおじさん Mon Oncle」の記事やInstagramにて、随時ご報告いたします。
- 日時
- 10月12日(土) 〜 13日(日)
- 場所
- Atelier Mon Oncle (東京都新宿区水道町1-9しのぶ荘104)
- 予約
- 不要