【Paul Stuart 2022 SPRING&SUMMER COLLECTION】 ─ディレクターが語る春夏シーズンの装い方─ 最新カタログがもっと深く楽しめるシーズンテーマ&撮影秘話


 

新しいシーズンの到来を告げる最新カタログが完成しました。上の写真の左がメンズカタログの表紙で、右がウィメンズカタログの表紙ですが、どちらもこの春夏シーズンのコンセプトをシンボリックに表現しています。ポール・スチュアートメンズディレクターの鴨志田康人とウィメンズディレクターの見上きよみに、シーズンテーマの解説に加えて、撮影時のエピソードや狙いなどを訊きました。

Photo. Yoshimi Seida / Text. Makoto Kajii
Edit. FUTURE INN

 

【Paul Stuart Men’s】 シーズンテーマは「All Like A Suit」。男たちに遊び心溢れるスーツスタイルを

 

――カタログの表紙がとてもミステリアスな雰囲気のモノクロ写真です。

 

鴨志田 今回のロケ場所の選定にも関わってくるのですが、今の私たちの生活にとって貴重なのは「ゆとりのある時間」です。撮影は、自然が豊かな庭とフランス式の温室を備えた戦前に建てられた洋館で行いましたが、そこにいると、非日常的なゆとりの時間の流れを感じました。表紙ビジュアルにこの写真を選んだのは、見た人が、「この人は何をしている人だろう?」と想像してほしいと思ったからです。

 

 

――帽子で顔を隠していて、匿名性も感じます。

 

鴨志田 ビジネスマンでも、文化人でも、絵描きでも、貴族に見えてもいいんですが、表紙はあえて社会性を感じさせず、パーソナルなライフスタイルの匂いを出したいなと。いわば、「自立していて社会に縛られていない男」を見せたかった。

 

――その思いと、シーズンテーマの「All Like A Suit」の関係性は?

 

鴨志田 スーツは、“上下が繋がっている”服ですが、それを広義に捉えると、素材や色のトーンを合わせるだけの「スーツライク」に着ることで、佇まいとしてシックになる面白さを表現したいと思いました。スーツの価値観を見直すというと大げさですが、「スーツをもっと純粋に愉しむ」ことが、今シーズンに限らず、自分のコレクションのベースにあるので、遊び心のあるスーチングをビジュアライズしました。春夏シーズンですが、色を抑えて、コントラストをつけず、渋めのトーンでまとめたコレクションになっています。

 

モデルの持ち味+ロケーション+スタイリングが融合して創り出す世界観

 

 

――撮影当日はどういう気持ちで臨まれるのですか?

 

鴨志田 当日の朝はもちろん楽しみです。自分が作った服をモデルがどう着こなして、どんなロケーションでシューティングをするか、天候などぶっつけ本番のところもありますが、それも面白いですね。現場でひらめいたり、スタイリングを変更することもあります。

 

――2人のモデルが対照的ですが、その狙いは?

 

 

鴨志田 白人のモデルのジェレミーさんのことを僕は“Mr. Paul Stuart”だと思っていて、端正な顔立ち、育ちの良さ、スーツが似合う好青年です。もう一人の黒人のオリビエさんは、黒人独特の味があって、笑い方も素敵で、ウィットに富んだ良さがある。この二人がポール・スチュアートを象徴すると思って必ず起用しています。

 

――カタログ全体を通して、モデルのポージングもリラックスしていますね。

 

鴨志田 自分がモデル然としたポーズが好みじゃないので、自然体で、ちょっと動きに面白みがある写真をセレクトしています。

 

 

――では、最新カタログを手にされたお客様にメッセージを。

 

鴨志田 服は時代によってドレスコードが変わっていくもので、特にこの2~3年は、私たちの“生き方のセンス”が問われているように感じます。スーツに限らず装いは、自分のためだけにあるのではなく、相手に対してのアティチュードでもあり、「社会性を示す」ものです。ポール・スチュアートはビジネスマンのための服と思われがちですが、実はもっと崇高な、仕事も遊びもプライベートの時間も含めて「自由に楽しむための大人の服」です。あなたに合ったスタイリングが必ずあるので、型にはまらずに自由に着てほしいと思います。

 

【Paul Stuart Women】 開放感が溢れる季節、今一度、美しく装うことを思い出しましょう

 

――カタログの判型が大きくなって写真がとてもきれいです。

 

見上 細部まで見ていただけるのでうれしいですね。今シーズンのテーマは「THE NEW ELEGANCE」です。おうち時間という言葉が浸透するほど、普段着るものはリラックスムードで、コンフォートさを重視したものが重宝されていますが、今シーズン提案したいのは、「美しく装うことを思い出しましょう」ということ。服を着て楽しいとか、きれいに装ってうれしいという気持ちを思い出してほしいと、「エレガンス」という言葉にNEWを付けることで、ニューノーマル時代のニューエレガンスを表現しています。

 

――今回のカタログでは、亜熱帯のような背景の外ロケと、落ち着いた迎賓館のような室内での撮影で、とても対照的です。

 

見上 ポール・スチュアートを着る女性には、いわゆる“オケージョン対応”はとても大事なので、たとえば、お呼ばれや披露宴などオフィシャルの場に着ていけるスタイリングを室内で撮影しました。私が着ているワンピースもカタログの16ページに掲載しているもので、凝ったジャガードのイタリアの生地を使っています。逆に開放感ある外のロケーションでは、バカンスや避暑などシーズン性を意識したコーディネートを見せています。

 

 

――春夏なので、きれいな色を着るのが楽しいですよね。

 

見上 きれいな色を着て、気分を上げていきましょう。オフィスではベーシックなカラーが落ち着く方が多いと思いますが、意識して明るい色をチョイスしてみる。ふんわりした春の光のような白やピンク、夏の木漏れ日を反射するニュアンスベージュやオレンジなど、同系色でまとめるトーンオントーンの着こなしもいつもより明るいクリーム系の色で。様々な素材感を重ねて作るハーモニーが個性を引き立たせます。

 

――きれいな色を着ると、顔も血色良く見えて、表情も自然と明るくなりますね。

 

見上 せっかくのきれいなメイクも、黒やグレーを着ると映えないのでもったいないですよね。トップスはもちろん、きれいな色のプリーツスカートや、カタログの表紙のパンツなど、カラフルなボトムも揃えました。

 

モデル選びの基準は、「意思が見える」モデル。女性のきれいさを表現したい

 

 

――撮影の当日はどんな気持ちで臨まれますか?

 

見上 私はスタイリストも兼務しているので、スタイリングの大事な演出アイテムのアクセサリーや靴の準備が大変です。当日、ロケ現場ではモデルのヘアメークはもちろん、マニキュアの色まで指定して撮影に臨みます。撮影前にモデルが決まった段階でスタイリングを調整しますが、当日の天気や背景の感じに合わせてスタイリングを変えることもありますね。

 

――今回のモデルはいかがでしたか?

 

見上 背が高くてボーイッシュ、キリッとした中で時折見せる柔らかい笑顔が可愛らしい、前回のカタログと同じモデルのエラさんです。私は彼女のように意思が見えるモデルが好みです。普段の私服はブラック系の辛口スタイリングを好む彼女が明るい色を着ると、びっくりするくらい優しい感じになるんです。

 

――ロケ場所での撮影のこだわりは?

 

見上 背景と服のマッチングを言葉で説明するのは難しいですが、壁の質感などはこだわります。無機質で冷たい感じの背景より、壁などにニュアンスがあって、そこに光が吸収されたり反射したりする感じが好きですね。今回、迎賓館のようなクラシックな館で撮影したのですが、美しい色のファブリックを使ったソファや椅子、壁紙を効果的に使えて満足しています。

 

 

――では、最新カタログを手にされたお客様にメッセージを。

 

見上 春夏らしいきれいな色にトライしてほしいのはもちろんですが、いつも敬遠しがちなアイテムやデザインも取り入れてほしいと思います。私たちはお客様のクローゼットの中を想像しながらコレクションを作っています。オーセンティックでクラシックな色にも合う、優しいイエローやオレンジ、ミントグリーンなどを臆せず取り入れて、楽しく着こなしてください。

 

お茶を通じた体験型コンテンツECサイト「nittoh.1909」の期間限定ショップが登場

 

体験型ECサイト「nittoh.1909」でしか出会うことのできない紅茶をラインナップした期間限定ショップが3月31日(木)まで開催中。普段はECサイトでしか販売していないnittoh.1909の製品を実際に手に取ってお買い求めいただける貴重な機会です。ぜひご来店ください。

 

 

ポール・スチュアート 青山本店
TEL 03-6384-5763
東京都港区北青山二丁目14-4 ジ アーガイル アオヤマ 1F
営業時間 11:00~20:00
併設するバー「THE COPPER ROOM(ザ コッパー ルーム)」
1月21日(金)~当面の間 15:00~21:00(ラストオーダー20:00)
※同一テーブルでの会食は4人以内
※酒類の提供を再開しております
これまで同様、感染防止対策を徹底し営業いたします。
ご不明な点がございましたら、ショップまでお問合せください。