【God is in the details.①】 ディテールの美学「タキシード」 清く、正しく、美しい、男映えするタキシードの魅力
「God is in the details.(神は細部に宿る)」と言ったのは、ドイツ出身の建築家だそうですが、アインシュタインやル・コルビジェ、ニーチェらも使ったといいます。一般的には、「細部までこだわり抜くことで、全体としての完成度が高まる」と解釈されますが、ファッション界などでは「美は細部に宿る」と使われます。
今回は、ポール・スチュアートが展開する“ピークドラペルタキシードスーツ”を、メンズ チーフデザイナーの佐藤浩之が解説。インビテーションカードのドレスコードに、「ブラックタイ」と記してあったら、この記事を思い出してください。
Photo. Shimpei Suzuki / Text. Makoto Kajii
Edit. FUTURE INN
tuxedo(タキシード)は、ニューヨークの南東に位置する“タキシード・パーク”のカントリークラブ員が着用していたことに由来し、英国ではディナージャケットと呼ばれています。
ニューヨークの中心・マディソン街45番地の紳士服専門店を起源とするポール・スチュアートですから、アメリカを代表するスーツ「タキシード」の装い一式をご用意しているのは当然のことです。
ポール・スチュアートのタキシードは、ワイドピークドラペルのシングル1Bタキシード。ジャケットはラペルにサテン織りの拝絹(はいけん)を配し、ノーベントの格式高いタキシードスタイル。パンツのピスポケットは両玉縁の左右釦付のディテールで、拝絹サイドアジャストにブレイシーズ(サスペンダー)ボタン付きです。
このタキシードを作るにあたって、ニューヨークで展開しているタキシードの仕様を研究して、さらにアレンジ。伝統に倣いつつ、シャープに見えて、快適な着用感が味わえるタキシードを仕立てました。
式典や結婚式などフォーマルな場では、間違いがない、失礼がないことが最も大事。格式を求められるフォーマルウェアは、自分の身体にフィットしたものを身につけないと、大人でも“馬子にも衣装”になりかねません。
タキシードの組下パンツは、折返し無しのシングルで、裾は水平ではなく後ろ半分を斜めした“モーニングカット”にします。ポール・スチュアートのパンツはインプリーツ仕上げになっているのがポイントです。
パンツは内側にブレイシーズ用の吊り止め釦(ボタン)があり、ベルトループは付いていません。ブレイシーズでパンツを“吊る”ことで、ウエストラインを一定の位置にキープし、スタイル良く見せることができます。
腰まわりにつけるカマーバンドは、正装時のベスト(ウエストコート)の代用品として使われるアイテムで、通常は黒蝶タイと同じ素材、色柄で揃えます。おへその位置を中心に、パンツの上から巻きつけて、後ろで留め金をとめます。カマーバンドをしたらジャケットを脱いではいけません。
タキシードのシャツは、いわゆるイカ胸(プリーツ入り)で、立襟(ウィングカラー)の白のブロード生地が定番です。ポール・スチュアートのシャツは、ブラックオニキスと白蝶貝のチェンジボタン仕様で、今回はカフスと合わせてブラックオニキスを飾ります。
蝶タイはカマーバントとお揃いにします。ポール・スチュアートでは、幾何学調の織り柄のあるものや、ブランド伝統のパケ柄などを用意。蝶タイのデザインもセンター部分をキュッと締めて、羽根のパフ感を強調することで、襟元をエレガントに華やかに演出します。
立襟と蝶タイの組み合わせは、蝶タイの羽根の下に襟を収めることで、蝶タイが襟の跳ね上がりを抑え、襟が蝶タイの横ずれを防ぎます。上着を着用すると見えるのはVゾーンだけですが、とてもドレッシーな雰囲気を醸し出します。
ポケットチーフは白無地のリネンがベスト。結婚式の主賓や親族にお薦めの折り方です。
タキシードには黒蝶貝かオニキス(黒曜石)のカフリンクスが相応しいとされます。
タキシードをきちんと纏って、ガラディナーやクルーズの旅へ――今回は黒をベースにした装いをご紹介しましたが、タキシード一着に、蝶タイとカマーバンド、ポケットチーフの組み合わせをいくつか揃えておけば、洒落たカラーフォーマルもお楽しみいただけます。着こなしから始まる装いの楽しみへようこそ。
ポール・スチュアートの洗練されたラグジュアリースタイルが凝縮した、鴨志田康人ディレクション「COLLECTION LINE(コレクションライン)」のタキシード。2021年春夏シーズンから展開しているショールカラーのシングル1Bタキシードです。
正統なタキシードのカラーバリエーションの中からミッドナイトブルーと、遊び心溢れるブラウン系の2色をラインナップ。青山本店でぜひご試着ください。
パンツはポール・スチュアート定番の穿き心地の良いシンプルなストレッチパンツ。ドライな風合いで秋口まで活躍します。
ポール・スチュアート 青山本店で、「VIOLIN RECITAL」を毎週日曜午後に開催
ポール・スチュアート 青山本店では、7月31日(日)より毎週日曜日にヴァイオリン リサイタルを開催します。プロのヴァイオリニストをお招きして、14:00~14:30と15:00~15:30の2回(各公演30分)の演奏を予定しています。開催中はドリンクの無料サービスを行います。ぜひこの機会にご来店ください。
ポール・スチュアート 青山本店
TEL 03-6384-5763
東京都港区北青山二丁目14-4 ジ アーガイル アオヤマ 1F
営業時間 11:00~20:00
併設するバー「The COPPER ROOM(ザ コッパー ルーム)」
18:00~24:00 ※同一テーブルでの会食は4人以内
※酒類の提供を再開しております
これまで同様、感染防止対策を徹底し営業いたします。
ご不明な点がございましたら、ショップまでお問合せください。