【Paul Stuart Culture CLUB ⑫】 L.C. Leyendecker――MAN ON THE FENCE ポール・スチュアートの永遠のアイコン「マン・オン・ザ・フェイス」を読み解く



ポール・スチュアートの商品に、ショップに、カタログに、私たちを見守るように飾られている青年――今、改めて、アメリカの有名なイラストレーター、J.C.(ジョセフ・クリスチャン)ライエンデッガーの古い絵から取られた通称「MAN ON THE FENCE(マン・オン・ザ・フェンス)」について、メンズ クリエイティブディレクターの鴨志田康人が語ります。

 

Photo. Shimpei Suzuki / Text. Makoto Kajii
Edit. FUTURE INN

 


85年間、世界中のジェントルマンたちを見守り続けてきた「マン・オン・ザ・フェイス」

今年2023年は、ラルフ・オストロフ氏がニューヨーク・ミッドタウンに紳士専門店『ポール・スチュアート』を開いて85年目にあたります。1938年の開業以来、ポール・スチュアートが守り続けてきたのは、「最高品質の商品を、最高の接客により、最高の顧客のもとへ届ける」という姿勢で、特に品質への目は厳しく、現在もクラシック・アメリカン・スタイルの真髄を示し続けています。

 

ポール・スチュアート 青山本店 ウィメンズ

 

 

ポール・スチュアートは85年ものあいだ、世界中のジェントルマンたちにタイムレスでエレガンスなスタイリングを提供し続けてきましたが、時の流れに寄り添う進化を見続けてきたのがアイコニックなキャラクター、「マン・オン・ザ・フェイス」です。

 

 

本を手にして柵の横木に腰掛け、ゆったりとくつろいだ知的な若者を描いている画、通称「マン・オン・ザ・フェンス」は、20世紀前半に活躍したイラストレーター、J.C.(ジョセフ・クリスチャン)ライエンデッガーの1920年代の絵から取られたもので、この画は、「洗練された人は田舎であろうと都会であろうと、世界のどこにいてもゆったりと上質な時間を過ごすことができる」という、ポール・スチュアートの感性を表現するものとして受け継がれています。

 

 

未来に向けて受け継がれていく象徴であってほしい――鴨志田康人

――鴨志田さんが「マン・オン・ザ・フェンス」を初めて意識されたときはいつ頃で、どういう印象をもたれましたか?

 

80年代初頭に日本に上陸した時からですが、とにかく今まで触れてきたアメリカンブランドとは一線を画し、大人のブランドだなぁという印象をMAN ON THE FENCEのモティーフから受けたことを覚えています。

 

ポール・スチュアート 青山本店「THE COPPER ROOM(ザ コッパー ルーム)」

 

 

――約100年前の絵が今も現役で使われていることをどう思われますか?

 

J.C.ライエンデッカーがイラストレーターとして活躍した1920年代のアメリカは、いわゆる“ロアリング・トゥエンティーズ(狂騒の20年代)”の時代、グレートギャツビーの時代です。アメリカ男性のダンディーなスタイルのルーツがこの時代に生まれました。それはまさにポール・スチュアートのスタイルのルーツでもあり、未来に向けて受け継がれていく象徴であってほしいと思います。

 

ポール・スチュアート 青山本店 PAUL STUART GOLF

 


――ブランドにとって、こういうアイコンが存在しているメリットは何でしょうか?

 

アイコンというものは、そのブランドの象徴です。馬具工房から始まったエルメスが、馬車をモティーフにしているように、ブランドのオリジンだったり、アイデンティティを表します。ポール・スチュアートは、エレガンスな男性の象徴であるカントゥリージェントルマンのMAN ON THE FENCEをアイコンとして選んだのだと思います。 

 

学生がマン・オン・ザ・フェンスをそれぞれの感性で描いたイラスト

 


――ポール・スチュアートの「COLLECTION LINE(コレクションライン)」、いわゆる「鴨志田ライン」の織ネームにもゴールドのMAN ON THE FENCEが使われています。

 

ポール・スチュアートのアイデンティティを最も色濃く打ち出すコレクションとして発信したいという思いから使用しています。

 

「COLLECTION LINE(コレクションライン)」の織ネームと、右はブランド75周年を記念して出版された『PAUL STUART STYLE BOOK』より

 


――鴨志田さんから「MAN ON THE FENCE」の青年へメッセージをお願いします。

 

フェンスに腰掛けて物思いに耽る姿に、当時のアメリカの時代背景が映し出されているように感じます。100年の年月が経った今でも廃れないその姿が、男性の普遍的なスタイルを守り続けることを私たちに託しているのかもしれません。彼の期待を裏切らないコレクションを創っていけたら本望ですね。

 

 

ポール・スチュアート青山本店「VIOLIN RECITAL」開催中

毎週日曜日にポール・スチュアート青山本店でヴァイオリン リサイタルを開催しています。プロのヴァイオリニストをお招きして、14:00~14:30と15:00~15:30の2回の演奏を予定しています。 7月16日(日)はヴァイオリニストの熊谷 真紀(くまがい まき)さん、7月23日(日)はヴァイオリニストの橋本 彩子(はしもと あやこ)さんが登場します。 ドリンクの無料サービスもございますので、ぜひご来店ください。

【ポール・スチュアート青山本店】コリドーコラボ ポップアップ「CANNATUREL」「Hippopotamus」開催中!

ポール・スチュアート青山本店のエントランスから見渡せるストア中央コリドー(回廊)にて、日本各地の飲食店やシェフのお料理レシピを世界中に届けるサスティナブルブランド「CANNATUREL(カンナチュール)」と、オーガニックタオルブランド「Hippopotamus(ヒポポタマス)」のコラボポップアップを期間限定で同時開催しています。

ポール・スチュアート 青山本店
TEL 03-6384-5763
東京都港区北青山二丁目14-4 ジ アーガイル アオヤマ 1F
営業時間 11:00~20:00
併設するバー「THE COPPER ROOM(ザ コッパー ルーム)」
18:00~24:00 ※同一テーブルでの会食は4人以内
※酒類の提供を再開しております
これまで同様、感染防止対策を徹底し営業いたします。
ご不明な点がございましたら、ショップまでお問合せください。