MADE TO MEASURE SPECIAL 2020-2021 ディレクター鴨志田康人がメイド トゥ メジャーを初体験(前編) スーツの意味、着る価値、作る喜びをオーダーから考える


充分満足できる既製スーツがあるのに、なぜ私たちはよりパーソナルな「MADE TO MEASURE(メイド トゥ メジャー)」を求めるのか──世界各国の様々なブランドやメンズショップ、サルトリアで誂えたオーダーメイドスーツに袖を通してきた、日本におけるディレクターの鴨志田康人が、ポール・スチュアートのオーダー担当の渡辺雅哉とパタンナーの坂本友和とともに、メイド トゥ メジャーの魅力を語り合います。

 

Photo. Riki Kashiwabara / Text. Makoto Kajii / Edit. FUTURE INN
 

左から、パタンナーの坂本友和、オーダー担当の渡辺雅哉、ディレクター鴨志田康人

 

“ハウスカット”を尊重しつつ、自分なりにアレンジしていくのが一番面白い

 

渡辺 これまで数多くのオーダースーツを着てこられた鴨志田さんと、こうしてメイド トゥ メジャーのお話ができて光栄です。鴨志田さんが初めてオーダーを体験されたのはいつ頃ですか。

 

鴨志田 初めてのオーダーは80年代の後半ですね。「ビスポーク」という言葉に憧れて、ロンドンで作りました。ちょうどブリティッシュスタイルに惹かれていた頃なので、ビスポークを体感できてうれしかったのを覚えています。「ビスピークを着ている」という気持ちよさはありましたね。

 

坂本 オーダーする際に鴨志田さんが大事にしていることは何ですか。

 

鴨志田 オーダーの魅力は、その店やブランドの持ち味やメッセージがスタイルに込められている“ハウスカット”モデルを、どうアレンジしてフィッティングしていくかが楽しいもの。考え抜かれたオリジナルスタイルを尊重しつつ、自分なりに理想を求めていくのが一番の醍醐味ですね。

 

坂本 国によってオーダー時の違いはありますか。

 

鴨志田 お国柄はありますよ。イタリアのサルトは自分が一番だという自負や主張が強いですね。イギリスは主張は持っているけど、あまり押しつけてこない。日本は「何でも受けます」というのを美徳にしていますが、逆にアイデンティティを持つべきだなと思います。

 

渡辺 ポール・スチュアートのメイド トゥ メジャーはいかがですか。

 

鴨志田 ブランドの主張が反映された“ハウスカット”モデルを打ち出していきたいですね。一流の料亭は、「うちの出汁の取り方はこれだ」というものがあるからファンが出来るのであって、それは服も同じ。ブランドを成り立たせるには明確なメッセージが必要ですから、メイド トゥ メジャーの良さを活かしつつ、スタイルも追求できればと思います。

 

 

パーソナルに徹する「メイド トゥ メジャー」の良さを改めて考える

 

鴨志田 オーダーを担当する渡辺さんは、メイド トゥ メジャーの魅力をどんなところに感じますか。

 

渡辺 何よりも「補正箇所が多い」ことですね。体型に合わせてより端正に美しく映えるようにシルエットはもちろん、肩のクセなど細かな部分もしっかり補正できます。実は今日着ているスーツもメイド トゥ メジャーですが、自分は猫背で、既製で直せる範囲を超えているんですよ。

 

 

鴨志田 本当ですね。イタリア人の体型に近いですね。

 

渡辺 既製スーツでは絶対にフィットしないので、補正による修正力と工場の確かな技術を感じて着ています。

 

鴨志田 メイド トゥ メジャーやビスポークで難しいのは、「体型に合わせすぎると、元々の美しいバランスが崩れる」ことで、そこの見極めが一番難しい。渡辺さんの首から肩に沿ったフィット感は、まさにフィッターのチカラですね。

 

坂本 鴨志田さんは自分の体型はどう捉えていますか。

 

鴨志田 自分は、胸周りが平坦で、お尻も薄いという、典型的な痩せ型の日本人体型ですね。痩せている割にふくらはぎが強くて、パンツはもっとテーパードを効かせたいのに、ふくらはぎが張ってしまいます。

 

渡辺 なるほど。メイド トゥ メジャーのやりがいがありますね(笑)。この後、実際に体型を見させていただくので参考にします。

 

 

坂本 私の今日のスーツは、10年ほど前に、勉強のために自分でパターン(型紙)を引いて、トアルを組んで、工場で作ってもらったものです。

 

鴨志田 勉強のために? 偉いですね。それはもう“坂本モデル”ですね。

 

坂本 とても気に入っていて、3着持っています。

 

鴨志田 どういうところが気に入っているのですか。

 

坂本 10年前に比べてお腹周りはちょっときつくなりましたが(笑)、肩周りのフィット感と、アームホールのアタリの柔らかさを気に入っているので、つい着てしまいます。弊社のスーツの作りの良さを感じますね。

 

鴨志田 そうやって実感して、パターンに反映していくわけですか。スーツの進化にはそういう実践と探究心は欠かせませんね。

 

 

ウィズコロナ時代の働くスタイルの変化をどう捉えるか

 

渡辺 春先から始まったコロナ禍によって、スーツ好きのお客さまは「やっとスーツが着られる秋冬が来る」と楽しみにされています。まだまだ在宅と通勤のワークスタイルは続くでしょうが、秋冬らしい色柄や素材を選んで、もう一度ドレスアップを楽しんでほしいと思います。

 

坂本 ウィズコロナと言われていますが、「会社に着ていくスーツではない目線」という必要性を感じています。とっておきな場面で着る、ファッションとして楽しくなるスーツを提案したいですね。

 

鴨志田 スーツは本来、成熟した男性が着て楽しめるワードローブでしたが、「仕事をする人の制服化」してつまらなくなりました。スーツは自分を磨くためのツールであり、コミュニケーションアイテムで、スーツを通して伝えられるメッセージが必ずあります。この先、スーツは本来の「社交的な服」として楽しむ時代になっていくでしょう。その点、ポール・スチュアートは最適なブランドです。オーセンティックな真面目さとグラマラスな一面を併せ持つ、遊び心のある独特のスタイルを伝えていきたいですね。

 

 

後編では、ディレクター鴨志田康人が、
ポール・スチュアートのメイド トゥ メジャーに初挑戦します。乞うご期待!

 

ポール・スチュアート「メイド トゥ メジャー」キャンペーン開催中!

 

2020年9月30日(水)まで、ポール・スチュアート全店舗で「メイド トゥ メジャー」キャンペーンを開催中です。
キャンペーン期間中は、メンズ・ウィメンズそれぞれ特別価格にてご案内。

 

メンズは、オーダー時のアップチャージ金額、通常 スーツ¥10,000(+TAX)、ジャケット(一部)¥7,500(+TAX)のところ、無料にて承ります。
ウィメンズは、オーダースーツの仕様オプションにかかるアップチャージ金額、通常 ¥8,000(+TAX)のところ、無料にて承ります。

※仕様オプション:本切羽¥2,000 (+TAX)・内ポケット仕様¥5,000 (+TAX) ・フラワーホール追加 ¥1,000 (+TAX)
ぜひお近くの店舗へ足をお運びいただき、ポール・スチュアートの上質なスーツをお試しください。

 

開催期間/2020年8月19日(水)~9月30日(水)
対象店舗/全国のポール・スチュアート店舗