【AOYAMA FLAGSHIP STORE】CHRISTMAS SPECIAL Vol.1 GIFT FOR YOU & FOR ME 2020 スタイリスト森岡 弘が語る「大人の男のギフト選びの極意」


2020年のホリデーシーズン、今年のクリスマスはもうすぐやってきます。11月7日にオープンした「ポール・スチュアート 青山本店」に、ご自身とパートナーへのクリスマスプレゼントを探しに来たのは、スタイリストでファッションディレクターとして活躍する森岡 弘さん。ファッション百戦錬磨の森岡さんにプレゼント選びのポイントを尋ねると、「贈る方ももらう方も、もし『欲しいモノ順位リスト』があったとしたら、一番目は自分で買った方がよいと思います。二番目以降の、“欲しいけど、なかなか買えない”モノを考えるのが、プレゼントのセレクトの基準にした方がサプライズ感もあっていいですね。そういうモノをもらうと、プレゼントの向こう側にある時間や想いが共有できて、特別な贈りものになります」と語ります。

 

Photo. Tatsuya Ozawa / Text. Makoto Kajii
Edit. FUTURE INN

 

 

これからはオシャレな人より、センスの良い人に見えることが大切な時代

 

──ポール・スチュアートの新しいフラッグシップストアへようこそお越しくださいました。

 

森岡 弘(以下、森岡) ロケーションも良いし、メンズとウィメンズが揃った素敵なお店ですね。ポール・スチュアートはNYを代表するセレクトショップですが、今、大人たちが必要としているのは「安心できるお店」だと思いますから、自分のスタイルを創りたい人にはちょうどいいと思います。

 

──コロナ禍で厳しい時代ですが、「自分のスタイル」を求めている人は多いですね。

 

森岡 こういう時代だからこそ、ビジネスでもプライベートでも「スタイルのある安定した人物像」が求められ、重要になっています。たとえば、「今、何を着ていいのかわからない」、「着こなしが安定しない」などのお悩みがあるなら、クオリティと時代感が整ったお店を選んで、ワードローブを作っていくことをお薦めしますね。

 

──ポール・スチュアートのコレクションはそういう大人に推奨できますか。

 

森岡 そうですね。きちんと感がちゃんとありながら、ちょっとしたニュアンスで、トレンドを理解している着こなしができるので、リアルクローズとしても大人にとってちょうどいいさじ加減ができる品揃えだと思います。

 

 

【GIFT FOR ME】外着としても充分使えるローブにひと目惚れ

 

──森岡さんはポール・スチュアートにはどんな印象をお持ちですか。

 

森岡 ポール・スチュアートは、『メンズクラブ』編集部時代から付き合いがあります。ニューヨークトラディショナルの代表として、男の着こなしを牽引してきたお店という印象ですね。

 

──その印象は今も変わりませんか。

 

森岡 ベースはしっかり守りながら、モダントラッドというか、コンテンポラリー感が増している感じを受けます。やはり鴨志田(康人)さんがディレクターとして加わってから、時代のツイスト感のような匂いが、服好きには心地良いですね。

 

──それでは、森岡さんご自身のプレゼントをお選びください。

 

森岡 自分のはすぐ選んじゃいますよ(笑)。このローブはいいですね。アメリカの豊かなライフスタイルを感じさせて、こういうアイテムをしっかり作っているのが、ポール・スチュアートの魅力の一つだと思います。

 

──まさに、森岡さんがおっしゃる“欲しいけど、なかなか買えない”モノですね。

 

森岡 そうですね。パッと見て、ひと目惚れして、「欲しいけど、優先順位では一番にならないもの」ですね。ジャケットを脱いで羽織ってみましょう。

 

ローブ¥84,700(inc. tax)

 

服の面白みは、ドレスコードのグレーゾーン。キャパオーバーだと格好良くならない

 

森岡 このスエードジャケットもいいですね。ちょっとコーディネートしてみましょうか。

 

──最近のお気に入りとか気になっているものはありますか。

 

森岡 今日見て欲しいなと思ったのは、馬具モチーフの大柄のネクタイとスカーフですね。これは格好良い。こういう柄のネクタイやスカーフをもらったら痺れちゃって、この値段の2倍、3倍のご飯に連れて行こうかな(笑)と思っちゃいますね。

 

──こういう大人の色気があるものをもらったらうれしいですよね。

 

森岡 仕事柄、「プレゼントに何を贈ったら喜ばれるでしょうか」という質問をよく受けますが、たとえばビジネスマンの男性に贈るなら、ネイビー無地のシルクのネクタイは間違いなく使ってくれるでしょうが、“欲しいけど、なかなか買えない”はずのネイビー無地のウールのネクタイにすると、ひねりも気も利いていて、喜んでくれるはず。ショップのスタッフさんもそういう接客をしてほしいですね。

 

──なるほど。そういう気の利かせ方が、相手の気づきにもなりますね。

 

森岡 今、自分の日常の中での服、装い、イメージなどを探し求めている人が増えています。ただし、服は人が着るものなので、その人が持つ“センスのキャパシティ”をオーバーすると格好良くはなりません。

 

──キャパオーバーだと手に余るということですか。

 

森岡 服の面白みは、ドレスコードのグレーゾーンにあって、上から下まで予定調和だと安心できるけどつまらない。ファッションのキャパシティがある人なら、時にはわざとルールを外しても「この人なら格好良い」となるものです。

 

──それがいわゆる個性ですね。

 

森岡 男の服は、同じカタチの服でも、仕立てが違ったり、生地が違うだけでも印象はグッと違って見えるもの。「自分の服はどうあるべきだろう」と考えて着ている男性は、それだけで佇まいも発言力も変わってきます。

 

──“センスのキャパシティ”という考え方はためになります。

 

奥から、ニットアウター¥49,500、ネイビーパンツ¥36,300、スエードジャケット¥187,000、ピンクパンツ¥39,600、ストール各¥27,500、ネクタイ¥16,500 (inc. tax)

 

【GIFT FOR YOU】メンズライクな服が好きな奥さまに、1輪のバラを沿えて

 

──では、大切な人に贈るプレゼントをお選びください。

 

森岡 贈る相手はもちろん奥さんですが、一番惹かれたのは、フランネルのワンピースです。彼女はアシンメトリーなデザインの服が好きで、シンプルだけどニュアンスがある服を好んで着ています。このテーラードコート的なジャケットにもなるワンピースは、ウィメンズではあまり見ない仕立てと素材感と柄で、マニッシュな感じが好きな奥さんにぴったりです。

 

──プレゼントで成功する秘訣は、「観察」でもありますね。

 

森岡 特に身近なパートナーへのギフトを選ぶときは、彼女が好きな感じに、「プラスこうあってほしい」という願望がちょっと入りますよね。普段の格好とマッチするかなというのもポイントだと思います。

 

──森岡さんは「何が欲しい?」と聞く派ですか。

 

森岡 う~ん、「何が欲しいの?」と聞くことには若干否定派ですね。やっぱり受け取ったときにドキッとして欲しいものです。

 

奥から、コートドレス¥99,000、中に合わせたタートルネックニット¥79,200、ポケットチーフ¥12,100、ジャケット¥121,000、パンツ¥33,000、グローブ(茶)¥39,600、グローブ(黒)¥36,300(inc. tax)

 

12月25日(金)までポップアップ開催中のバラの専門店「AFRIKA ROSE(アフリカ ローズ)」の1輪挿し付ギフト¥4,700(花瓶付)

 

2021年は前向きになって、自ら動いて、夢も届けたい

 

──プレゼント選び、ありがとうございました。では、来年の抱負をお聞かせください。

 

森岡 今、日本テレビ系報道番組『news zero』の木曜パートナーを務める元ラグビー日本代表キャプテンで実業家の廣瀬俊朗さんのスタイリングを担当していますが、スポーツ選手の格好良さを伝えるお手伝いができればと考えています。

 

──廣瀬さんの着こなしはシックで格好良いですね。

 

森岡 アスリートがそれぞれのフィールドで頑張っているユニフォーム姿を見ることはできますが、フィールド外のスタイリングのサポートをして、彼らの格好良さをもっと子供たちをはじめ、世の中の人に夢を届けたいですね。服はワクワクして、ドキドキできる楽しいものなので、2021年は、前向きに動いて、自らもファッションの力を発信していこうと思います。

 

ポール・スチュアート 青山本店
TEL 03-6384-5763
〒107-6601 東京都港区北青山二丁目14-4 ジ アーガイル アオヤマ 1F
営業時間 11:00~20:00
併設するバー「The COPPER ROOM(ザ コッパー ルーム)」
営業時間 18:00~24:00
※11月28日(土)~12月17日(木)まで18:00 ~22:00

Profile:森岡 弘(もりおかひろし)
スタイリスト、ファッションディレクター

大阪府生まれ。早稲田大学教育学部卒業。株式会社婦人画報社(現ハースト婦人画報社)に入社し、メンズクラブ編集部にてファッションエディターとして従事。退社後、「株式会社グローブ」を設立。ファッション誌、ライフスタイル誌、ビジネス誌、カーマガジンなど様々な雑誌でスタイリング連載を持つ。芸能人やアーティストやスポーツ選手のスタイリング。政治家や企業家への装い提案。ライフスタイルブランドのコンサルティング。広告ビジュアルの提案・制作。著書も多数。ブランドのトークイベントや講演活動なども行なっている。

 

Instagram https://www.instagram.com/moriokahiroshi/
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