ニューヨーク通信 Vol.1 新しい常識、ニューヨーカーのマスクスタイル
アメリカ国内での旅行制限が解除された為、観光客の姿も多く見かける。
ニューヨーク州で初のコロナ感染者が確認されたのが昨年3月。それから約1年が経ったニューヨークは、昨年12月より始まったワクチン接種が急速に進んでいます。4月6日には、16歳以上の全ての人が接種可能になりました。ワクチン接種率の上昇と共にニューヨークの街には人々の姿が戻ってきており、明るい兆しが見えてきました。
今回からニューヨーク在住の鈴木聡、扶美の2人が旬の情報をお届けします。簡単に私たち夫婦の自己紹介をさせていただきますね。共にファッションの仕事に携わっていた80年代の東京で出会い、夫は1988年に渡米。現在、ニューヨークを拠点にファッション、ライフスタイル、インテリア全般のバイイング、コンサルティングを手がける他、USブランドショールームに於いて日本市場へのセールスを担当。妻は結婚を機に1994年渡米。フリーランスでファッションの分野を中心にアテンド、コーディネートを手がけています。
Photo. & Text. Fumi Suzuki / Satoshi Suzuki
Edit. FUTURE INN
マスク、ゴム手袋、ハンドサニタイザーなどを購入できる。
1年前にはニューヨークの街でマスクを着用した人を見ることはほとんどありませんでしたが、今ではほぼ100%のニューヨーカーが着用しています。ニューヨーク州ではマスク着用(又は口と鼻を覆うフェイスカバー)が義務付けられており、飲食店や小売店への入店の際や、公共交通機関の乗車時にはマスク着用が必須です。最近では2枚重ねの“ダブルマスク”が推奨され、紙製の使い捨てマスクを着用した上に、布製のマスクを着用した“ダブルマスク”を多く見かけるようになりました。服の着こなしに合わせて色や柄、素材の違うマスクを着用して、それぞれのマスクのおしゃれを楽しんでいるニューヨーカーも増えています。コロナ禍により、マスクはニューヨーカーのマストアイテムとなり、ファッションの一部となりました。
昨年9月よりマスクのカスタムオーダーのサービスを始めた。
同僚の姉のハンドメイドマスク。毎日のコーディネートに合わせてマスクを選んでいる。
オールインワンのピンクに合わせたサテン素材のマスクは「Claire & Clara」ブランドのもの。
デニムに合わせる為にオンラインで購入した「Kiriko」ブランドのもの。
赤リップが目を引くマスクはボーイフレンドからのプレゼント。
屋外空間では草間彌生のエキシビションが開催
すっかり春らしい温かい季節となったニューヨークでは、4月10日からブロンクスのニューヨーク植物園で草間彌生の展示「COSMIC NATURE:宇宙の庭」が開催されています。同展は昨年5月に開催される予定でしたが、コロナ禍の為に延期されていました。人々はマスク着用、ソーシャルディスタンシングを保ちながら、開放的な屋外空間での展示を楽しんでいました。
コロナ禍を経て「ニューノーマル(新しい常識)」が生活の中に根付き、マスク着用という新たな習慣が生まれたニューヨーク。街の機能は少しずつコロナ前に戻り、ニューヨークの日常生活は回復しつつあります。1日も早くさらに安心して過ごせる日常になりますように。そしてコロナが完全に収束して、マスクを外して生活できる日が来ることを願うばかりです。
4月27日にアメリカ疾病対策予防センター(CDC)が、ワクチン接種が完了して2週間が経過した人は、散歩などの一部の屋外活動でのマスク着用は不要という見解を発表しました(スポーツイベントなどの屋外での大人数の集まりを除く)。屋内施設や、公共交通機関では引き続きマスク着用は必須です。これからワクチン接種の加速と共に、ニューヨーカーのマスク姿は減っていくことになるでしょう。