

靴を長持ちさせる メンテナンスの心得
“いい革靴は20年履ける”といわれますが、それも正しいお手入れを続けてこそ。
と聞くと、ちょっと難しそうに感じるかもしれませんが、
コツさえ押さえれば決してハードルは高くありません。
というよりもむしろ、愛用の一足を自分の手で“育てる”感覚を味わえて
それが至福のひとときに……
なんて声もしばしば。
気楽に、楽しくメンテと付き合うことがいちばん大切なのです。
CHAPTER 01
―
忙しいときはこれだけでOK!

靴のメンテナンスはとにかくマメさが肝心ですが、日常のお手入れに関しては意外なほど簡単。使う道具もこれだけでOKです。左は靴磨き用のミトン、右は上から乳化性の靴クリーム、豚毛ブラシ、馬毛ブラシ。

STEP 01.
まずは馬毛ブラシで
汚れを落とす
一日履いた靴には、砂や土、ホコリなど細かい汚れが全体に付着しています。クリームを塗る前に、それらを綺麗に落とすことが大切。その際はしなやかな馬毛のブラシを使うのがおすすめです。特にアッパーとソールの間には汚れがたまりやすいため重点的に。

STEP 02.
乳化性クリームを
全体に薄く塗る
汚れが落ちたら、乳化性クリームをまんべんなく塗っていきます。無色と色つきのものがありますが、靴のアッパーと同じ色のクリームを使えば補色(色褪せた革をもとの色に戻すこと)も同時に行えます。着古した綿のTシャツなど布を使ってもOKですが、手のひらサイズのブラシ(ペネトレイトブラシ)があると手も汚れず簡単。

STEP 03.
ミトンと豚毛ブラシで
クリームをなじませて完成
クリームをただ塗っただけでは、どうしてもムラができてしまいます。そこで、靴磨きミトンで靴全体をさするようにして仕上げを。さらに豚毛ブラシで全体をブラッシングすれば、クリームがなじむにつれて美しい光沢が浮かび上がってきます。慣れればここまで5分程度で完了。忙しいときでも簡単に実践できます。
CHAPTER 02
―
プロなみに仕上がるフルメンテナンス

よく履く靴なら、1ヶ月に1回程度はフルメンテナンスをするのがおすすめ。プロに任せるのも手ですが、道具を揃えて手順を覚えれば自宅でも充分可能です。左上はペン型のコバインキ。 下段は左から順に、靴底のお手入れに使うソールガード、革に栄養分を補給するリッチモイスチャー、革の汚れを落とすツーフェイス プラス ローション、クリーナー用クロス、ミトン、乳化性クリーム、ブラシ各種。
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STEP 02.
余分なクリームなどを落とす
汚れ落としローションをコットンのクリーナー用クロスに染み込ませ、靴を水拭きするイメージで全体をこすっていきます。劣化した靴クリームなどをすっきりと洗い流すのが目的。写真のツーフェイス プラス ローションなら、汚れを落としつつ革を保護する成分を補給できます。

STEP 03.
乳化性クリームの前に保革クリームを
革に必要な水分・油分などを配合したモイスチャークリームをペネトレイトブラシにとり、アッパー全体にまんべんなく塗り込んでいきます。これによって、革本来のしなやかさやツヤなどを長くキープすることが可能。

STEP 04.
重ね塗りで“美肌効果”アップ
日常メンテと同じ要領で、乳化性クリームを塗り込んでいきます。靴磨きはしばしば美容に例えられますが、実際に化粧品の成分や原理を応用したケアアイテムも多く、それらを重ねづけすることで靴も“美肌”を長くキープできます。

STEP 05.
靴底メンテも行うとパーフェクト
レザーソールは時間の経過とともに油分が抜けて乾燥していき、その状態のまま歩くと靴底の摩耗を早める原因に。フルメンテの際には、アッパーとあわせてソールのケアも行いたいところです。やりかたは専用のケア用品をペネトレイトブラシにとり、ソール全体に塗るだけ。とりわけ水に濡れた路面を歩いた後はソールが乾燥しやすいため、しっかり乾かしてからメンテを行いましょう。

STEP 06.
コバの色がはげていたら
塗り足しを
アッパーがピカピカでも、コバ(靴底の断面)の色がはげていると古ぼけた印象に。専用のコバインキを塗ってリフレッシュしておきましょう。写真のようなペンタイプのものなら簡単に塗ることができます。
CHAPTER 03
―
革に応じたお手入方法があります

スエード靴は、
専用のブラシ&スプレーでケア
スエード靴のお手入れはカーフなどの表革よりも簡単。金属やラバーなどでできたスエード用ブラシで汚れを落とし、保革スプレーを吹きつけるだけでOKです。仕上げに再度ブラッシングすれば、毛並みも整って美しい状態に。防水効果を付与できる保革スプレーを使えば、雨の日対策にもなります。

コードバン靴には
専用クリームを
馬の尻革を原料とするコードバンは特殊なレザー。カーフよりも油分が抜けやすいため、専用の靴クリームを使うのがおすすめです。どんな色のコードバンにも使える無色のほか、色つきのクリームも。メーカーによっては定番コードバンの色に合わせて最適化されたものもあります。カーフ用の乳化性クリームより若干固めのテクスチャーですが、塗り方は同じ。ムラにならないよう仕上げのブラッシングを入念に行いましょう。
CHAPTER 04
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こんなときはどうする?
革靴トラブルシューティング

TROUBLE 01.
靴にカビが!
軽いものなら
カビ除去スプレーで対処
下駄箱にしばらく放置しておいた革靴を取り出してみたら、うっすらとカビが! そんなときはまず、靴用のカビ取りスプレーを使用してみましょう。保革成分も配合されているため、革の品質を損なわずカビに対処できます。ただし、根の深いカビは自宅で除去しきれない場合も。その際はシューリペアショップなどでカビ取りを依頼すると綺麗に復活します。

TROUBLE 02.
ニオイが気になる……
天然成分配合の
ニオイ対策スプレーがあります
夏場などはとりわけ気になる靴のニオイ。不意に靴を脱ぐシーンにも備えて、ケアはしっかり行なってきたいものです。同じ靴を何日も連続で履かない、乾燥剤を入れて過剰な湿気を取り除くなどのほか、手軽にニオイ対策できるスプレーも。エッセンシャルオイルなど天然成分を主体としたものなら革にもやさしく、安心して使用できます。

TROUBLE 03.
コードバンが毛羽立ってきた
水牛の角でこするとツヤが復活
意外に思えるかもしれませんが、コードバンは本来、スエードのように毛羽立ちのある素材。そこに油分などを含ませ、押しつぶすことでツヤツヤに仕上げています。そのため、履いているうちに毛羽が浮いてきてしまう場合も。そこで役立つのが、水牛の角で作られたケアアイテムです。これを毛羽立った部分に押し当ててこすることでツヤを回復させることができます。ちょっとした傷もこれで元通りに。
連載企画
【 知っておきたい、本格靴選びのキホン 】

