TOP > 三陽山長 > FEATURE > 【 知っておきたい、本格靴選びのキホン 】 vol.05 革靴好きが気になる10のギモン

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革靴好きが気になる10のギモン

決して安くない……というよりむしろ、相当に思い切った買い物となる革靴選び。
それだけに、ある程度の下調べをしてから店頭へ向かうことが 失敗を防ぐために有効です。
とはいえ、調べるほどに“じゃあコレってどうなの?”と新たなギモンが浮かび上がってくることも少なくないはず。
そこで、三陽山長企画担当&革靴大好きエディターが、革靴にまつわる FAQを総ざらい。大物買いの前に、ぜひご一読あれ。

 Profile 
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ライター
細谷 駿人

埼玉県生まれ。メンズファッション雑誌で編集として勤務し、2018年に独立。ファッションメディアを中心に時計や美容の編集/ライターも務め、カタログや広告のディレクションも手がける。ごりっごりのゆとり世代のお調子者(笑)。

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三陽山長 日本橋髙島屋S.C.店 店長
上村 哲平

高身長のすらっとしたスタイルに爽やかな笑顔が特徴の店長。ファッション好きがこうじて三陽山長に入社し、その後革靴の沼にハマってその暦なんと16年。休日問わずに革靴を履き続けるほどにどっぷり浸かり、今では革靴を履かない日の方が違和感を感じるとか。

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スタイリスト
五十嵐 堂寿

長野県生まれ。2011年に独立し、雑誌やカタログなど多くのファッションメディアの他、アーティストや俳優のスタイリングも多数手がける。若者から大人、ドレススーツからストリートまで、年齢層もジャンルも幅広いマルチなスタイリスト。

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【 回答するのは... 】
 三陽山長 企画
上村哲平

三陽山長の商品企画を担当し、最近ではフレンチテイストなUチップ「兼四郎」など新機軸モデルも輩出。過去には自身でハンドソーンの革靴を製作していた経験もあり、仕立てや革のディープな知識も備えています。

【 質問するのは... 】
エディター
小曽根広光

仕事も休日も、コンビニやジムに行くときも、365日あらゆるシーンで革靴を着用。一方お手入れはものすごくズボラで、これまで履きつぶしてしまった名靴も数多。近年の値上がり具合を目にして、もっと大切に履けばよかったと後悔。

 選び方編 

Q1.
革靴はキツイくらいが
ちょうどいいって本当?

A.
タイトでもいいところと
悪いところを知っておきましょう

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小曽根 僕の世代だと、“革靴は履くうちに伸びるので、最初はキツいくらいがちょうどいい”と教わったのですが、今もその考えは正解なのでしょうか?

上村 グッドイヤー製法の場合、中底のコルクが沈み込むことによって、フィッティングがユルくなっていくという事実は確かにあります。とはいえ、キツくてもいい部分と悪い部分というものがあり、そのポイントを間違えないことが大切。具体的にいうと、甲の高さやボールジョイント(親指と小指の付け根)については、新品の際に少しタイトめでもOK。
しかし指先がトウの内側に当たって窮屈な場合は、サイズを上げることをおすすめします。いずれにしろ、ひと昔前のように“最初は痛くてナンボ”という考え方はちょっと違うのかなと思いますね。それから、マッケイ製法やフレキシブルグッドイヤー製法などの靴は中底の沈み込みが少ないので、新品のときでもタイトすぎるのは避けるのがいいでしょう。

Q2.
余裕があるなら、
既製よりもオーダーがいい?

A.
既製→オーダーの順に
ご検討いただくのがおすすめです

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小曽根 近頃、三陽山長のPATTERN MADEが以前にも増して人気だとか。物価高が進む今だからこそ、せっかく買うならオーダーで理想の一足を……という需要が高まっているんでしょうね。となると、焦って既製を買うより、資金をしっかり準備してオーダーしたほうが得策ということになりますか?

上村 三陽山長の場合、木型を修正してフィッティングの精度を高めたり、デザインを細かく変更したりと、かなり自由度の高いカスタマイズが可能。ですので、ご自身のなかに決まったイメージがある場合は、オーダーメイドでご注文いただくのが早道といえるでしょう。とはいえ、ベーシックなモデルの場合は既製靴で充分ご満足いただける場合も多々あります。まずは既製も試し履きしていただいて、何か不足を感じたらオーダーをご検討いただくのがおすすめです。

Q3.
リペア済みのユーズド靴と
新品の違いって?

A.
新品から履き馴らしたほうが
足に馴染む一足に育ちます

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小曽根 新品の靴にはちょっと手が出ない……というとき、キレイにリペアされたユーズド靴を発見。これなら、わざわざ新品を買う必要はないかも?と思ってしまうこともありそうですが……

上村 アッパーの傷みが少なく、アウトソールが交換修理されているものなら、一見そう思えることもあるでしょう。しかし、中底やコルクは前オーナーの足に沿って沈み込んでいることが多いですから、履き心地が変わってくる場合があります。革靴は履き込むことによってご自身の足に馴染むところが醍醐味ですので、そういった意味では新品から育てていくほうが満足度の高い一足になるといえます。

Q4.
昔の靴のほうが革質が
よかったって本当?

A.
トップグレードのレザーは、
昔も今も同じクオリティです

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小曽根 ユーズド愛好家がよく、「昔の靴は革質が今と違うから……」と語っていたりしますが、実際のところどうなんでしょう?

上村 昔の靴のなかに、価格帯のわりに革質がとてもいいものが存在することは確かです。しかし、すべての靴が同様にハイクオリティな革を採用していたかというと、決してそうではありません。要は玉石混交の状態で、そのなかの優れたものだけが語り草になっているという理解が正しいように思います。また、有名タンナーが手がけるトップグレードのレザーについては、昔も今も同等のクオリティ。三陽山長ではそういった上質な革だけを厳選していますので、安心してお選びください。

長持ちさせる付き合い方編

Q5.
いい革靴は
何年くらい履ける?

A.
きちんと手入れすれば
20年以上愛用できます

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小曽根 いい革靴は一生モノと聞きますが、私の靴はみるみるうちにダメージが蓄積していってしまいます。もしや、誇大表現……?

上村 いえいえ、素材と仕立てにこだわった靴なら、20年以上は愛用できますよ。小曽根さんの靴がすぐ傷んでしまうのは、お手入れを怠っているからです。同じ靴を何日も続けて履かない、シューツリーをしっかり入れる、ひどい雨の日には履かないなど、基本的なことを守るのが第一。そしてもちろん、定期的なメンテナンスも欠かせません。
時間をかけて丹念に磨くことよりも、できるだけこまめにお手入れすることのほうが重要です。私の場合、一日履いた靴はその日のうちにブラッシングをするようにしています。ちなみに写真右の靴は私の私物で、8年ほど前に購入したもの。左の靴と比べて、かなりキレイな状態を保っていますよね。適切な付き合い方を知れば、革靴の劣化は最小限に抑えられるのです。

Q6.
同じ靴を毎日履いては
いけない理由は?

A.
革にダメージが
蓄積しやすいためです

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小曽根 私が企画に参加させていただいた写真の「光二」。気に入ってほぼ毎日履いていたのですが、早くもちょっとくたびれてきたような……原因はやはり、ヘビーローテーションのしすぎですか?

上村 そうですね。同じ靴を連続で履いてはいけない理由は、靴のなかに吸収される水分が関係しています。一日靴を履くと相応に汗をかきますし、湿った地面を歩けばアウトソールから靴の内部まで水分が浸透します。そんな状態の革は型崩れがしやすく、ダメージを受けやすいのです。適切なインターバルを設けながら履けば靴に吸収された水分が抜けるため、革がもとの状態に戻りますが、何日も連続で履くと革が弱っている状態のまま酷使する形になるというわけです。

Q7.
革靴の寿命を
知らせるサインは?

A.
アッパーが割れたら
引退どきです

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小曽根 傷んでも修理ができるのが革靴の利点ですが、“さすがにここまできたら限界……”という目安はあるのでしょうか?

上村 底周りは複数回の修理ができますが、アッパーの傷みは修復が難しいものです。屈曲部分にクラック(ヒビ)が入ってきたら危険信号で、横方向だけでなく、縦方向にもクラックが入ったら引退のサイン。当て革をして修理することも可能ですが、継ぎ跡が目立ってしまうことは避けられません。また、クラックがひどい状態でソールを交換するとアッパーが破れてしまう危険があるため、靴底の修理を断られてしまうケースも出てくるでしょう。

エイジング編

Q8.
革靴を美しくエイジング
させる秘訣は?

A.
エイジングしやすい革を
選ぶことが第一歩です

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小曽根 経年変化によって深まる味は、革製品ならではの魅力ですよね。靴もしかりだと思いますが、美しくエイジングさせるポイントってあるのでしょうか?

上村 適切なお手入れをすることが大前提になりますが、そもそもエイジングが映える革を選ぶことも大きく影響してきます。たとえばドレッシーなボックスカーフは、味わいを深めるというよりもキレイな状態を保つことが美しさにつながりますよね。それとは逆に、カジュアルシューズに使われるラギッドな革は、よく履き込まれているほうが魅力的に映ります。エイジングの醍醐味を味わうには当然後者のほうが向いていますよね。具体的には、スムースレザーよりも表面にシボのある革、それからオイルをたっぷり含んだ革、またコードバンなどもエイジング向きな素材です。履きジワがくっきりとつき、迫力ある表情に育っていくのが特徴ですね。それから茶系のレザーはクリームを入れることにより、色みを変化させていくことも可能です。そういった意味では、黒より茶のほうがエイジングさせやすい革といえますね。

Q9.
キレイな履きジワを
つけるコツは?

A.
足にフィットした靴を
選ぶのがポイントです

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小曽根 エイジングの魅力を象徴するのが、甲に刻まれた履きジワ。キレイな履きジワをつけるために、ペンを使ってクセをつけたり……なんて話も聞きますが、本当に大切なことは何ですか?

上村 革のクオリティも重要なのですが、それ以上に足へ正しくフィットした靴であるかどうかが履きジワの美しさに影響します。そもそも“キレイな履きジワ”とは、深く大きなシワが一本だけ入るのではなく、比較的軽いシワが3〜4本まんべんなく入ったもの。そのためには、足指の付け根付近に過剰なスペースがないことが重要です。気になる方は、試し履きの際スタッフにお尋ねいただけるとよいかと思います。

Q10.
革靴が履いているうちに
柔らかくなるのはなぜ?

A.
中底や革が足の動きに
沿って変化するためです

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小曽根 上質な革靴って不思議なもので、最初は硬く感じても、履き込むうちにどんどん柔らかくなっていって、窮屈さを感じなくなります。それってなぜなのでしょう?

上村 ひとつは、中底やコルクが足裏の形に沿って沈み込むことにより、フィット感がよくなっていくため。さらに、アッパーや中底、アウトソールの革が少しずつほぐれてきて柔らかくなるという理由もあります。また、底周りに“返り”がついて、つま先が弓なりにカーブしてくることも履き心地のよさに関係してきます。これによって足運びがスムーズになり、歩きやすくなるというわけですね。

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