Vol.8にしてついに! ついに購入しました! 買う買う詐欺か? なんて思った方も少なくなかったでしょうが、ご安心ください(笑)。知識ゼロからスタートし、上村さんと五十嵐さんに教えていただきながらスタートしたリアルガチな靴購入企画。7回の連載を通して、革靴ビギナーが選んだ一足とは? 購入報告とともに、五十嵐さんにスタイリングも伺ってきました。第一部「購入編」これにて完結です。とは言え、まだ序章です(笑)。買った後も知っておくべきことがたくさんありますからね!
ライター
細谷 駿人
埼玉県生まれ。メンズファッション雑誌で編集として勤務し、2018年に独立。ファッションメディアを中心に時計や美容の編集/ライターも務め、カタログや広告のディレクションも手がける。ごりっごりのゆとり世代のお調子者(笑)。
三陽山長 日本橋髙島屋S.C.店 店長
上村 哲平
高身長のすらっとしたスタイルに爽やかな笑顔が特徴の店長。ファッション好きがこうじて三陽山長に入社し、その後革靴の沼にハマってその暦なんと16年。休日問わずに革靴を履き続けるほどにどっぷり浸かり、今では革靴を履かない日の方が違和感を感じるとか。
スタイリスト
五十嵐 堂寿
長野県生まれ。2011年に独立し、雑誌やカタログなど多くのファッションメディアの他、アーティストや俳優のスタイリングも多数手がける。若者から大人、ドレススーツからストリートまで、年齢層もジャンルも幅広いマルチなスタイリスト。
ライター
細谷 駿人
埼玉県生まれ。メンズファッション雑誌で編集として勤務し、2018年に独立。ファッションメディアを中心に時計や美容の編集/ライターも務め、カタログや広告のディレクションも手がける。ごりっごりのゆとり世代のお調子者(笑)。
三陽山長 日本橋髙島屋S.C.店 店長
上村 哲平
高身長のすらっとしたスタイルに爽やかな笑顔が特徴の店長。ファッション好きがこうじて三陽山長に入社し、その後革靴の沼にハマってその暦なんと16年。休日問わずに革靴を履き続けるほどにどっぷり浸かり、今では革靴を履かない日の方が違和感を感じるとか。
スタイリスト
五十嵐 堂寿
長野県生まれ。2011年に独立し、雑誌やカタログなど多くのファッションメディアの他、アーティストや俳優のスタイリングも多数手がける。若者から大人、ドレススーツからストリートまで、年齢層もジャンルも幅広いマルチなスタイリスト。
細谷 ここまで引っ張ってきましたが、今日でそれも終わりです(笑)。
上村 いよいよですか! 楽しみですね。
細谷 最初は必要かどうなのかってところで考えていましたが、今はどれにしようかという別の悩みです(笑)。一足に決めれない……。
上村 一足じゃなくてもいいんですよ?(笑)
細谷 一足で勘弁してください(笑)。というより、この一線超えたら勝手に進んでいくと思います。沼への道を。
上村 僕もそうでしたから、気持ちはよくわかります。今はどこで悩んでいるんですか?
細谷 デザインはUチップで決まりました。今の僕のライフスタイルで一番活躍の場があるのが、Uチップだとわかったので。ただ、その中でどのモデルにするかってところが問題です。
上村 つい先日「匠 勘三郎」が販売開始されましたしね。
細谷 あれはずるい! あのタイミングで出してくる三陽山長はニクいです(笑)。でも、あれが出たことで少し定まったところもありました。
上村 どんなところですか?
細谷 僕自身はもう少しカジュアルに楽しみたいなって思ったんです。
上村 確かに「匠 勘三郎」は、Uチップの中でもドレッシーな部類ですね。
細谷 そうなんです。せっかくの一足目なら、長く、いろんなスタイルで楽しみたいなっていうのもあって。そうなると、ドレッシーなものはもっとレベルアップしてから手にしたいと。
上村 すごくいいと思います。
細谷 と思って、決めたのがこれです。
上村 「兼三郎」ですか!
細谷 はい。上村さんが僕にって推してくれた一足です。
上村 確かにそうですね。最初にお話を聞いたうえでご提案させていただきましたが、こうしてコミュニケーションをとっていく中で、より強くオススメしたいなって思いました。
細谷 最終的には上村さんに推していただいたのが大きかったですね。色々本当か? なんて疑っていましたが、決めた後だと素直に、自分のことよくわかってくれてたんだなと思って。“これを最初に提案してくれる上村さんすごい!”って(笑)。
上村 ありがとうございます。ただ、僕が推したのはブラウンでしたけど……(笑)。
細谷 そこはすみません! 初手ブラウンは上級者すぎました(笑)。でもこれをきっかけにいろんなものにチャレンジしたいなと思います。ブラウンもそうですし、今回はシボですがスムースも気になりますから。いきなり“極”とかいってもよかったんですが、ステップアップするイメージで、万能な「兼」シリーズからスタートします!
上村 すごくいいと思います。それでは、サイズから測っていきましょうか。
細谷 今日は靴下分厚いんですよ。カジュアルメインなので、ドレスソックスでなくてもいいかなと思って。
上村 そうですね。ご用意いただけて嬉しいです。
細谷 ドレスソックスならこちらにもありますし、と思って。
上村 流石です。ここまでやってきた甲斐がありますね。
細谷 この事前知識があるだけでだいぶ違いますね。ただ、ドレスソックスも念のため持ってきています!(笑)
上村 ありがとうございます。ご自身が履くソックスでいらっしゃるのが間違いないです。
細谷 前回も測っていただきましたが、確か“7 1/2”からの“7”着地でしたね。
上村 そうですね。特に兼三郎のような外羽根のモデルなら、少しゆとりがあるので7がちょうどいいと思います。
細谷 では7からでお願いします。
上村 どうですか?
細谷 やはり、窮屈ではありますね。スニーカーから履き替えているのでなおさら。ただ、当たり具合などを見る限り、ちょうどいいと思います。
上村 そうですね。紐を締めた時のシューレース周りも理想的な形にはなっています。
細谷 カジュアルソックスで地厚な分、グッと締まった感覚はありますが紐で調整できる範囲ですね。
上村 ソックスに合わせた調整を効かせるのを想定するのもあって、普段はドレスソックスでお試しいただいています。
細谷 確かに初めから厚地のものでは、いざ薄地のソックスで履いた時に、調整が効きづらくなってしまいますもんね。
上村 そうです。ただ、細谷さんは目的がはっきりしているのと、前回はドレスソックスで測っていただいているので問題ありません。
細谷 甲の当たり具合も多少違いますね。
上村 鏡で見ていただいて大丈夫ですよ。
上村 履いた感じどうですか?
細谷 サイズ感はいい感じだと思います。慣れていないのでよくわかっていないっていうのもありますが、そこは上村さんを信じてます!
上村 サイズ感はバッチリですよ。
細谷 鏡に当ててみると一目瞭然ですね。さっきまでスニーカー履いていたけど、一気に上品に見えるというか。
上村 グッと引き締まった印象になりますね。非常にいいと思います。シボの雰囲気も今日のコーディネートには最適ですね。
細谷 そうですね。“お洒落は足元から”っていう業界の定説が如実に表れてますね。もうこれで間違いないでしょう! 兼三郎のサイズ7でお願いします!
上村 早いですね(笑)。
細谷 いや、ここまで引っ張りに引っ張ったんで!(笑) 9割決めてきてますから、ここはスッと……。ある意味一番長い買い物でした。
上村 確かにそうですね。ここまで時間をかけて一足ご購入された方も初めてかもしれません(笑)。それだけ真剣に考えてくださっているのが伝わるので、嬉しい限りです。
細谷 僕もここまで長い買い物は初めてです。なんだか購入の高揚とは違う昂りがありますね。
上村 レジまで撮影は追いかけるんですね(笑)。
細谷 そりゃもちろん! ガチ購入の企画なので(笑)。いや〜、めちゃくちゃ嬉しい!
上村 ありがとうございます。普段はここまで買い物で悩むことはないんですか?
細谷 全くないです。むしろ早い方ですね。買いたいものが決まっていることが多いので、お店に入って即購入・即退店が基本です。5分くらい。
上村 早すぎません?(笑)
細谷 今回は今まで経験したことのないところだったので時間がかかりました。お待たせし過ぎたのかもしれません。
上村 ……。
細谷 いやなんか言ってくださいよ! なが〜いフリのボケを(笑)。
上村 ははは。冗談です。でも素晴らしい買い物だったと思います。
細谷 やっと買えました。とは言えここからやるべきこともありますから、スタートラインですね。
上村 そうですね。きっとハマると思います。
細谷 ですね。すでに次の一足は〜って考えてる自分が怖い!
上村 片足突っ込んでますね! これからも楽しみにしてます。
細谷 ありがとうございます! せっかくなので、この足で五十嵐さんにも購入報告してきます!
細谷 急に押しかけてすみません(笑)。
五十嵐 本当だよね(笑)。どうしたの? 靴抱えて。今回はこれで何か企画やるの?
細谷 違うんです! 今回はただ自慢したくて。
五十嵐 え? じゃあついに買った?
細谷 買いました! ありがとうございます!
五十嵐 おお! 長かったね〜。どこの引き伸ばし連載かと思ったよ(笑)。
細谷 いや〜すみません。五十嵐さんにも長く付き合っていただいたので、一番に報告したいなと。悩みに悩んで「兼三郎」にしました。
五十嵐 いいね。使い勝手いいし、今まで細谷くんが履いていたスニーカーでは出せなかった上品さが出るからね。
細谷 購入前に試着しましたけど、それは本当にそう。全然違いました。
五十嵐 それに、これから慣れてきたらだけど、スニーカーより履き心地良くなるかもしれないよ。
細谷 上村さんも言っていましたね。まだそこは経験していないので疑っていますが(笑)。試着した時はやっぱりしんどかったですし。
五十嵐 実感しないとわからないね、この良さは。スニーカーとはアプローチが真逆とも言えるから。
細谷 確かに。これもさっき味わったことですけど、スニーカーって買った瞬間の喜びでかいじゃないですか。そこがピークというか。でも革靴買った時は、これからどうしていこうっていう買った先のワクワクが先に浮かんだんですよね。
五十嵐 手入れ次第でずっと履けるし、履くほどに馴染むからね。
細谷 そう。買った後が面白くなるのが革靴だなってすごく思いました。
五十嵐 感じちゃったんだね。それ、入り口だよ(笑)。
細谷 やっぱり?
五十嵐 シューキーパーも一緒に買ったの?
細谷 いや、今回はこれだけにしました。今は撮影用に入れてもらってるけど。
五十嵐 そうなんだ。買った方がいいよ、本当に。
細谷 そうですよね、でもこれにはちょっとワケもあって……今回はこれだけで。
五十嵐 え、お財布の問題?
細谷 そうなんです……。じゃなくて! それは追々わかります(笑)。
五十嵐 ははは。楽しみにしてるよ(笑)。
細谷 それにしても、あれもいいこれもいいとか色々考えちゃって。買い物した後のこれが楽しい。
五十嵐 靴に限らずそれはあるけど、革靴はどう自分色に染めていくかもあるからより楽しくなるよ。コーディネートとかさ。
細谷 今日は買う気で来てるから、そういうコーディネートにしてます。
五十嵐 そうだね。今日のコーデに合ってるよね。
細谷 え、それ聞いちゃう? 気づかない?
五十嵐 え、なになに? 怖いんだけど(笑)。
細谷 これ、Vol.1で五十嵐さんがコーディネートして出してくれたやつですよ。
五十嵐 え!? そう言えば、そうだ!
細谷 厳密にはインナーは白ですけどね。しかもその時に合わせたのも兼三郎なんです。つまり、五十嵐さんが連載初回でこれいいってピックアップしたモデル。
五十嵐 本当だ! すごい伏線回収してきたね。某人気漫画じゃん(笑)。
細谷 でしょ? 上村さんが推してくれたのもありますけど、五十嵐さんがVol.1で推した一足っていうのも、決め手の一つなんです。
五十嵐 いや、今更だけど、シンプルに今日の格好に合ってるなって思ってたんだよね。さっきも言ったけど。手前味噌になって逆に恥ずかしい(笑)。
細谷 誰も気づいてくれないんだもん(泣)。革靴履くならこういう格好したい、っていうイメージがあったからそれもあって。アイテムは違うけど、似寄りのもので組んでみました。
五十嵐 驚いたけど、いい買い物したのは間違いないね。お洒落が楽しくなる秋冬シーズンも来たワケだし。
細谷 そう! そこで、急遽ですがお願いがあって。今回の連載ではまだ秋冬のコーディネートをやっていなくて。今回はこの一足でしていただきたいなと。
五十嵐 確かに秋冬はまだだったね。テーマは?
細谷 僕に似合うやつで(笑)。
五十嵐 連載を私物化してるじゃん!(笑)
細谷 ちょっとぐらいいいじゃん……。
五十嵐 お祝いを兼ねて。了解です。
COORDINATION
アースカラーを中心にした男らしい装いを、革靴がさらに加速。ともすると、デニムもラギッド演出に一役買っているが、クリース入りのテーパードデニムにすることで野暮ったさを軽減し、大人らしい品格を漂わせます。ふんわりとしたグリーンのニットがこなれ感をプラス。
細谷 デニムにしてくれたのは嬉しい。これはまた真似できそう(笑)。
五十嵐 もう伏線に驚かされないから! 革靴を買ったことで、普段着ているものとか、買う洋服も変化してくると思う。Tシャツからシャツに、ニットに、みたいな形に。上品なコーディネートに興味が湧いてくるはずだよ。
細谷 なんなら、既になってる(笑)。シャツもあんまり縁がなかったから、兼三郎をきっかけに変化していけたらなとは思っています。
五十嵐 歳を重ねると装いも変わってくるからね。お金かかりますな(笑)。
細谷 お財布だけが本当に悩み……(泣)。とりあえず今日は兼三郎履いて帰ります!
五十嵐 頑張って育ててください!
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