厳しい暑さを抜け、すっかり秋めいた季節が到来。涼しくなったことでサンダルやスニーカーから衣替えして、革靴の出番が増えたという方も少なくないはず。そこで今回は秋冬の革靴コーデを新作とともにご紹介!
重衣料を駆使したレイヤードコーデなど、着こなしの幅がグッと広がる季節ですから、お洒落が楽しくなること請け合い。短靴やブーツでさらに上品さに磨きをかけて、ワンランク上のお洒落を楽しんでくださいまし!
ライター
細谷 駿人
埼玉県生まれ。メンズファッション雑誌で編集として勤務し、2018年に独立。ファッションメディアを中心に時計や美容の編集/ライターも務め、カタログや広告のディレクションも手がける。ごりっごりのゆとり世代のお調子者(笑)。
三陽山長 日本橋髙島屋S.C.店 店長
上村 哲平
高身長のすらっとしたスタイルに爽やかな笑顔が特徴の店長。ファッション好きがこうじて三陽山長に入社し、その後革靴の沼にハマってその暦なんと16年。休日問わずに革靴を履き続けるほどにどっぷり浸かり、今では革靴を履かない日の方が違和感を感じるとか。
スタイリスト
五十嵐 堂寿
長野県生まれ。2011年に独立し、雑誌やカタログなど多くのファッションメディアの他、アーティストや俳優のスタイリングも多数手がける。若者から大人、ドレススーツからストリートまで、年齢層もジャンルも幅広いマルチなスタイリスト。
ライター
細谷 駿人
埼玉県生まれ。メンズファッション雑誌で編集として勤務し、2018年に独立。ファッションメディアを中心に時計や美容の編集/ライターも務め、カタログや広告のディレクションも手がける。ごりっごりのゆとり世代のお調子者(笑)。
スタイリスト
五十嵐 堂寿
長野県生まれ。2011年に独立し、雑誌やカタログなど多くのファッションメディアの他、アーティストや俳優のスタイリングも多数手がける。若者から大人、ドレススーツからストリートまで、年齢層もジャンルも幅広いマルチなスタイリスト。
細谷 ようやく涼しくなりましたね!
五十嵐 いや、本当。Tシャツ&短パン生活も抜け出せるようになった。
細谷 それこそ、革靴なんてもってのほかだったんじゃないかな。この間買った時は嬉しくて勢いそのままに履いて帰ったけど、残暑だったから暑い!って思っちゃったもん。
五十嵐 それはあるかも。グルカサンダルみたいな、革靴の中でも涼しく履けるものが夏は活躍するからね。主戦場はこれからですよ。
細谷 そうそう。というわけで、今回は五十嵐さんに秋冬の革靴コーデをしてもらいたいなと思って。
五十嵐 春夏以上にお洒落の幅が広がるから、今回はめちゃめちゃ楽しかった(笑)。
細谷 春夏はやれることが限られてきますもんね。この連載では秋冬コーデは初だし、革靴が活躍する季節ってこともあって僕も楽しみでした!
五十嵐 冬はブーツもあるし!
細谷 それって、また買いたくなる靴が増えるってことじゃん!(笑)
五十嵐 ははは。それが狙いです!
【弥三郎/YASABURO】コインローファー
coming soon【弥三郎/YASABURO】
コインローファー
グッドイヤーラインよりリリースされる今季の新作ローファー。アッパーはフランスの老舗タンナー・アノネイ社が手掛けるアニリン調のカーフレザー「ベガノ」を採用。顔料による仕上げが施されていない素材なので透明感があり、茶靴ならではの経年変化が存分に楽しめます。木型はスリッポン専用ラスト「R2013」を採用し、レースアップシューズのようなホールド感を実現。赤みのあるコーヒーカラーは、リッチなアクセント足しにもってこいです。
BUYダウンコートにスラックス。スポーティさとスマートさを兼ね備えた装いに、ローファーを合わせた大人カジュアルの好例。中にきたニットジャケットと「弥三郎」のカラーを合わせて統一感を持たせることで、お洒落上級者な雰囲気にまとまります。スラックスと「弥三郎」が足元から装いを格上げしているので、軽快な印象のダウンコートを合わせても上品にまとまります。
スムースよりも重厚さと色気を香らせるスエードも、秋冬シーズンと好相性。イタリアンスエードを採用したダークブラウンが、こなれ感と余裕を漂わせます。ドレススニーカーの側面を持つ「悠」シリーズの一足だけあって、履き心地は実に快適。程よいボリューム感がある「R2021」ラストを採用し存在感を与える一方で、小ぶりなヒールカップがしっかりとしたホールド感を構築。秋の定番的存在のチャッカブーツが、大人のカジュアルを格上げします。
BUYぽってりシルエットの「悠伍」は、今どきなオーバーサイズなコーディネートと好相性。落ち感のある同系色のウールコートの生地感にスエードの深みがマッチし、大人の色気も香らせます。メインカラーがブラウンとあって、インナーや小物はネイビーをはじめとする寒色で引き締めを。この一手がお洒落上級者への第一歩です。
【悠十/YUTO】サイドゴアブーツ
coming soon【悠十/YUTO】
サイドゴアブーツ
誠十郎に次ぐサイドゴアブーツが、「悠」シリーズより新登場。アッパーには、タフでありながら無骨になり過ぎない上品さも兼ね備えたフレンチキップレザーを採用しています。マスターラスト「R2010」で仕立てることで、洗練されたモダンな履き姿を演出。軽快さと都会的なエレガンスを兼ね備えた「悠」シリーズの一足だけあって、ストレスフリーに大人らしさを楽しめます。ボトムスインでもアウトでも着こなせる使い勝手の良さも魅力。
BUYこちらはビジネスシーンでも活躍する好例。上品な光沢を放つフレンチキップと端正なサイドゴアブーツのデザインが、クールな印象を与えてくれます。モノトーンの定番オフィスコーデにブラックのミリタリーアウターが男らしさを添え、スーツとも好相性。重厚感と上品さがバランスよく調和しているのは、足元に「悠十」を合わせた恩恵です。
細谷 こうして見ると、コーディネートの振り幅は段違いですね。
五十嵐 そうだね。チラ見せとか挿し色みたいなテクニックをレイヤードでできるのは、この季節ならではだよね。春夏はバッグやアクセサリーなどの小物に頼っていたからね。
細谷 そうですね。「弥三郎」や「悠伍」のコーディネートでも見られるように、靴のカラーとの統一感が出せるのがいい。スエードの靴が欲しくなるな〜(笑)。
五十嵐 スエードやブーツはこれからが一段と映える季節ですよ。どうですか、買い時ですよ?(笑)
細谷 いつの間にか三陽山長のスタッフになってるじゃん! ……時間ください。
五十嵐 いつでもお待ちしております(笑)。
細谷 それはさておき、春夏と比べて思ったのが、秋冬はボトムスよりもトップスとの統一感が多い印象です。
五十嵐 そうだね。やっぱりコートやダウンのような重衣料がメインになるから、視線も自然と集まりやすくなるんだよ。そこでシューズに統一感を持たせると、コーディネート全体が洒落た印象にまとまるんだよね。
細谷 なるほど。この連載でボトムスとソックスの合わせの企画(Vol.3)をやりましたけど、それとは真逆ですね。春夏は軽装だからこそのテクニックで、足元に視線を集中させていたんだ。
五十嵐 わかりやすく簡単に洒落見えを叶えてくれるからね。要素が増えるほど、楽しみ方の幅も当然広がる。もちろん秋冬でもVol.3でやったようなことはできるよ。だから、トップスとの合わせもできるよっていう、選択肢が増えたって思ってもらえれば!
細谷 なるほど。
五十嵐 しかも、今回ピックアップした「悠伍」や「悠十」みたいに、革靴なんだけどスニーカーみたいな快適さもあるモデルが今はいろんなデザインから選べるようになったから、より革靴を身近に楽しめるんじゃないかな。
細谷 それはそう。選択肢が広がった上に履くハードルも下がってきているんですね。
五十嵐 うん。それこそ、春夏はスニーカーやサンダルでラフさや涼しさみたいなものを、どうしても選びがちだったじゃない? だったら、秋冬は大人っぽい自分を見せちゃおうよ、ってこと。
細谷 そういう意味では、ニットやシャツのきちんと感のあるアイテムも今が見せ場ですよね。年齢とともに着たい服が変わってきたって話を以前したけど、革靴買ってから特にそれが加速してる(笑)。
五十嵐 装いの変化って本当にお財布が大変になるよね。
細谷 本当に辛い……でも物欲に抗えない(笑)。
五十嵐 抗う気もない(笑)。
細谷 見透かさないで! でも、革靴を履くようになったことで、今までスニーカーでコーディネートしてたものとか、ファストファッションで買った服が高そうに見える気がしてる。
五十嵐 いい靴とかいい時計をしているのって、全体的な高級感が上がるのは間違いなくあるよ。それが“クラス感”ってことなんだよね。
細谷 そうですね。ただぶっちゃけちゃうと、スニーカーで代用しても問題ないコーデだよね。タイドアップは別にしても。
五十嵐 もちろん。こんなこと言うと本末転倒かもしれないけど、革靴じゃなきゃダメ! なんてことはないです。
細谷 それが革靴を買う以前の僕、旧細谷です(笑)。
五十嵐 ははは。
細谷 ニュータイプとなった細谷は違います! “革靴を履いている”こと自体にすごく意義を感じているんですよ。それこそ上品に見えるし、以前五十嵐さんが言っていたような“背筋が伸びる”っていう感覚も顕著に表れるというか。
五十嵐 履くようになってからより感じるんじゃない?
細谷 はい。さっきのクラス感の話もそうだけど、背筋が伸びるから自信が出てきて、たたずまいがリッチに見えるってことなんだろうね。
五十嵐 なんでもかんでも上がるってわけではないんだけどね。そうなると今度は、靴に合う上質なものが欲しくなってくるんだよ。
細谷 靴だけの沼だと思っていたのに、何て恐ろしいんだ……。めちゃくちゃ楽しいからいいんですけど(笑)。
五十嵐 ははは。今後が楽しみだね。
細谷 もう、坊やじゃないです。ニュータイプですから。
五十嵐 ドヤ顔でいろんなネタのオマージュしないで(笑)。
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