

革にまつわる気になるハナシ Vol.01
定番レザー徹底比較
これから全3回にわたってお送りするのは、靴の命ともいえるレザーの四方山話。
クオリティを見分けるポイントは?
タンナーごとの個性は?
近年人気の傾向は? などなど、革好きが気になるアレコレをQ&A形式で
ご紹介します。
第1回は、本格靴を語るうえで欠かせない定番レザーについて。パッと見ではなかなか判別しにくい微差を比較しながら各素材を掘り下げてみましょう。

【解説役】
三陽山長 企画 濱田 甫
2026年秋冬シーズンより始動する三陽山長創設25周年キャンペーンに向けて、目下大詰めの日々。このタイミングだけの特別なモデルも企画中につき、乞うご期待 !
Q.1
大定番の黒カーフ、
タンナーごとにどう違う?
上質な黒のカーフレザーはドレスシューズの大基本ですが、よくよく見比べるとタンナーごとに個性が存在します。人気どころを比較してみましょう。

輝くようなツヤが際立つ
イルチア社の「セタニール」
イタリアが誇る名門タンナー、イルチア社が手がける最高級ボックスカーフ「セタニール」。革の表面を顔料でコーティングせず、自然な風合いを保った“アニリン仕上げ”が採用されています。程よく厚みがあり、繊細な印象と耐久性を兼備していることに加え、強い光沢を放つのも特徴。エレガントなドレスシューズに最適な革といえます。

経年変化によって味が深まる
ワインハイマー社のボックスカーフ
ドイツの名門が手がけるボックスカーフは、今は廃業してしまった伝説のタンナー、カール・フロイデンベルグ社のレシピを受け継いで作られたもの。“これぞ革靴用のレザー”というべき王道的なクオリティで、適度にハリがあるのが特徴的です。丁寧に手入れをしながら履きこむことでツヤが深まり、いっそう味わい深い表情に。

しなやかなのに型崩れしにくい
デュプイ社の「シャトーブリアン」
フランスを代表するタンナーの代表作といえるボックスカーフ。こちらは表面に薄く顔料を乗せることで耐久性を高めたセミアニリン仕上げが採用されています。なめしが非常に丁寧で、繊維がしっかりとほぐれているのに型崩れもしにくいという理想的なバランスを実現。どんなデザインの靴にも使いやすい優秀な素材です。

ふっくらとした風合いが魅力的な
HAAS社の「アニキス」
あえて小規模な生産にこだわり、そのクオリティがトップメゾンにも認められるフランスのHAAS社。ボックスカーフは「アニキス」と銘打たれたレザーが有名で、こちらもセミアニリン仕上げを採用しています。比較的厚みを残して仕上げられているため、ふっくらとした独特の風合い。グラマラスな靴の造形美を引き立てます。

三陽山長では、靴のイメージに
ふさわしい黒カーフを厳選
トップクオリティのレザーを選び抜くのはもちろん、靴のデザインを引き立てる革選びにこだわるのが三陽山長のモットー。たとえばこちらの「匠 匠一郎」は、アッパーの繋ぎ目を内側に折り返してステッチを隠す“レベルソ仕立て”が特徴。極めて繊細な作り込みが要求されるデザインのため、しなやかさと保形性をバランスよく備え、扱いやすい「シャトーブリアン」を採用しています。
関連商品を見る職人の手仕事が息づく〈匠〉シリーズ。
その一足一足には、造形美と履き心地を極めた日本の靴づくりの粋が込められています。
ぜひ店頭にて、〈匠〉ならではの上質なフィット感と佇まいをご体感ください。
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Q.2
エンボスレザーの定番って
どんなものがある?
革靴のカジュアル化によって、近年人気を高めているのが、表面にテクスチャーのあるエンボスレザー。そのバリエーションは多種多様ですが、なかでも定番どころをここにご紹介します。

上品なテクスチャーで
汎用性に優れる「アルパイン」
カントリーシューズを出自とするエンボスレザーは、本来カジュアル感が強い骨太な素材。ですがフランスのアノネイ社が作る「アルパイン」は、凹凸が細かいため武骨すぎないのが特徴です。ドレスローファーや内羽根靴など上品なデザインにもマッチ。

力強い凹凸が存在感たっぷりな
「アニキスグレイン」
「アルパイン」に比べて、こちらは凹凸の目が粗く力強い表情。これぞカントリーレザーの王道という佇まいのため、ボリュームのあるラウンドトウの外羽根靴や分厚いラバーソールを装着したブーツなど、カジュアルな靴にベストマッチです。こちらはHAAS社製。

ヴィンテージテイストが人気の
「ユタカーフ」
HAAS社が手がける「ユタカーフ」は近年非常に人気の高いレザー。凹凸がひし形になっているのが大きな特徴で、ヴィンテージテイストが色濃い表情です。オイルをたっぷりと含んでいるため、大変しなやかなのもポイント。ブーツ、Uチップ、ローファーなど、ドレスカジュアルなデザインと相性抜群です。

日本の職人技を堪能できる
「姫路黒桟革」
個性派のエンボスレザーを求める方に人気なのがこちら。兵庫県姫路市の坂本商店がなめしから加工まで自社一貫生産する「姫路黒桟革」です。国産黒毛和牛を原皮に使用し、日本古来のなめし技術に“漆塗り”の伝統工芸を融合。まるで宝石のような輝きを放つ唯一無二のレザーです。

革本来の風合いを再現した
「シティカーフ」
生き物である革はもともと、毛穴や微細なシワなどを備えているもの。それを加工によって綺麗に整えていくわけですが、仕上げの段階で革本来の風合いを再現したのがHAAS社の「シティカーフ」。凹凸が浅く、うっすらと模様が浮かぶテクスチャーのため、スムースレザーにほんの少しだけ味わいを加えたいときに使われます。

繊細な“水シボ”が浮かぶ
「マロカーフ」
こちらはデュプイ社が手がけたレザー。縦方向に入った細かいシワは“水シボ”とよばれ、カントリー系のエンボスレザーに比べて繊細な表情に仕上がります。靴にすると吊り込みによって革が伸ばされるため、写真よりもさらにさりげない模様に。スムースレザーとほぼ同様のドレス感を備えた靴になります。

ユタカーフ製の既製靴を
三陽山長で展開中
PATTERN MADEでの人気もふまえ、既製靴でもユタカーフを採用した一足を展開中。ベストセラーのUチップをハイグレードなフレキシブルグッドイヤーウェルト製法で仕立てた「匠 勘三郎」は、スーツからジーンズまで万能に活用できます。
関連商品を見るQ.3
“銀付きスエード”が
上質といわれる理由は?

三陽山長でもしばしば採用する“銀付きスエード”。革の銀面(表面)が付いたスエードという意味で、上質さを表す代名詞として知られています。牛の皮は想像以上に分厚く、レザーにする際には薄く剥いで厚みを調節しますが、表面を剥いで残ったほうの革(床革)を使って作るのが安価なスエード。繊維が粗いためザラザラとした風合いになってしまいますが、対して銀付きスエードは繊維が密で、きめ細かいのが特徴。これにより毛並みが美しく仕上がることに加え、強度にも優れた靴に仕上がります。
関連商品を見るQ.4
Q.コードバンが希少と
いわれるのはなぜ?

“革の宝石”とも称され、靴好きから不動の人気を集めるコードバン。常に枯渇状態が続く希少レザーとしても知られていますが、その理由はシンプルで、採れる量が少ないから。コードバンは馬のお尻の皮を原料としますが、その面積は当然、皮全体のごくわずか。馬1頭から1足ぶん程度のコードバンしか採取できません。もちろん単なる珍しさだけではなく、唯一無二の風合いも人気の理由。透明感ある飴のようなツヤを備え、経年変化によっていっそう美しく育つところが革好きの心を掴むポイントです。コードバンと同じ骨太系レザーの定番として「クロムエクセルレザー」という革がありますが(それぞれ左側)、並べてみると同じ色でも風合いが全く異なることがわかります。

【THE FIRST SHOES CAMPAIGN】
4/3 FRI - 4/30 THU
春は、入学や入社、異動など、新たな節目を迎える方も多い季節です。 桜が咲き誇り、街にやわらかな華やぎが満ちるこの時季は、装いにもまた新たな気持ちを添えてくれます。三陽山長では、春の門出にふさわしい一足をご提案する「THE FIRST SHOES CAMPAIGN」 を、4月3日(金)から4月30日(木)まで開催いたします。 端正な佇まいのドレスシューズをはじめ、日々の装いを上品に整えるカジュアルシューズまで、この季節の始まりにふさわしい一足をご用意しております。新たな一歩を踏み出すこの春、ぜひ三陽山長各店舗にてお買い物をお楽しみください。
