TOP > 三陽山長 > FEATURE > 【SANYO Style MAGAZINE】なぜ「三陽山長」の靴は日本人の足に合うのか?

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なぜ「三陽山長」の靴は
日本人の足に合うのか?

2001年に前身の山長印靴本舗の商標を三陽商会が取得し、スタートした三陽山長。山の長、すなわちトップクオリティを意味するブランド名を掲げる通り、その作りには日本の靴作りプライドが凝縮されています。

まず人ありき、なぜなら人が履くものだから

こと紳士靴においては、とりわけ英国を最上とする向きがあります。しかし、靴は実際に履いてこそ真価がわかるもの。ならば、日本人の足型を最も知る日本の靴ブランドが作る一足を履かずして、盲目的に評価するのは間違いではないでしょうか。つまり、三陽山長を履かずして紳士靴を語るなかれと言うことです。

国産靴の復権を目指して創業した前身の意思を受け継ぐ同ブランドには、国内で紳士靴作り一筋半世紀という職人がほとんど。一足一職人、そしてこの20年間ファクトリーを変えることなく靴作りを続けてきたことで、その技術はさらに高まり、また確実に継承されています。木型も、数万人の日本人の足型データを数値化しつつ、最終的な仕上げは職人の感覚を取り入れています。

実は三陽山長の靴には、どの職人が作った靴なのかを判別出来る印が見えない場所に刻まれています。万が一壊れた場合や修理する際に手掛けた職人を特定出来るようにすることで、以後の改善や技術の向上に生かせるからです。

徹頭徹尾、そして地道にユーザーの足に寄り添った靴作りを行う三陽山長。「友二郎」と「友之介」というブランドを代表するマスターモデル、そして両モデルで共に展開される最高位バージョンとなる「匠」ラインなどで用いられる技の数々と共に、その魅力にさらに迫ってみましょう。


三陽山長の原点にして進化の象徴

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【友二郎/TOMOJIRO】
ストレートチップ

ラインナップ中、最もスタンダードに位置付けられるマスターピースストレートチップ「友二郎」。製法はグッドイヤーウェルテッド製法で、木型は三陽山長を代表するマスターラストR2010を採用。スワンネックと呼ばれるピッチの細かいステッチワークが、上質な一足であることを誇示します。レザーソール、ラバーソール、Fウィズ、防水、と豊富なバリエーションを展開。

■ラウンドトゥラスト「R2010」
ブランド設立時に展開していた木型R201を改良し、2010年に登場したその名もR2010。アーモンドトゥのR201に対して、ややノーズを長めに設定。甲を低くし踵をコンパクトにすることで足全体のフィット感を向上させつつ、それでいて洗練されたシルエットを実現しました。

原点を継承し、ひと味違う魅力を

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【友之介/TOMONOSUKE】
ストレートチップ

同じく紳士靴の基本であるストレートチップ。製法もグッドイヤーウェルテッド製法ですが、こちらに使用されているラストはR309。友二郎との違いはスクエアトゥを採用している点。やや色気を増した雰囲気が好きな人にオススメです。

■スクエアトゥラスト「R309」
トゥがより長く、スクエアになることでシャープさが増したラストR309。R201の発展型と言う形で登場し、2010年にはR2010と合わせて甲を低く踵をコンパクトに改良し、より現代の足型に沿ったラストに進化を遂げています。

三陽山長だからこそできる5つの職人技

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【point 1】見えないだけがスゴいんじゃないんです!
「友二郎」や「友之介」には、それぞれより細かなステッチワークを披露する「匠」シリーズがありますが、三陽山長にはさらにそのステッチワークを完全に隠したレベルソ仕立ても存在。内側に折り込みながら縫い上げる技術もさることながら、折り込み部分を美しく仕上げるためには高度な革すき技術も求められます。

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【point 2】階段を昇る一瞬、その美意識へのこだわり
快適な履き心地を追求し、三陽山長の持つ技術の粋を集結した「匠」シリーズで採用される、セミベヴェルドウエスト。絞り込まれたウエストに半カラス仕上げ、そしてステッチが表に見えないヒドゥンチャネルなど、高級紳士靴御用達の技がてんこ盛りです。通常ラインでも、全カラス仕上げとヒドゥンチャネルが採用されています。

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【point 3】美しい曲線を描く陰影が上質の証
「匠」シリーズで採用されるシームレスヒール。文字通りセンターに継ぎ目のない1枚革によって作られるヒールのことで、革を木型に吊り込む際に一層の高い技術が求められます。ビスポーク靴などで見られる仕様で、つまり高級紳士靴である証。湾曲させることで意匠をこらしたピッチドヒール仕様も、そのひとつです。

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【point 4】縫いの凄さは他ではマネできない!
細かく、また隣とかなり近接する2連ステッチ。通常ラインでも十分に繊細ですが、「匠」シリーズではより細かなピッチに。また、コバの張り出しが抑えられている点にも注目。リブテープを用いず革を起こして機械ですくい縫いする「フレキシブルグッドイヤーウェルト製法」を用いることで、より洗練された見た目と高い屈曲性を両立しています。

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【point 5】美しさのためには手間を惜しまない
Uチップを採用する「勘三郎」などに用いられるスキンステッチ。これは、革の面に対して直角に針を通すのではなく、水平に針を通して縫う、つまり厚さ1.数ミリの革の内部に針を通す手法です。これにより、Uチップで生じる縫製部分の出っ張りが抑えられ、ラストの美しいシルエットを邪魔しません。