

去る2025年3月21日、「三陽山長 粋 グラングリーン大阪店」がオープンしました! 大阪の大規模複合施設「グラングリーン大阪」の開業に合わせ、南館2階に構えた同店舗は、関西エリア初となる直営店です。全店行脚を目指す我々としては、そんなビッグニュースを見逃すわけにいかない! ということで、早速潜入させていただきました。
店長の山根さんに新店舗の話を伺いながら、店舗限定モデルについても、スタイリスト高塩さんと一緒に聞いちゃいます!

ライター
細谷 駿人
埼玉県生まれ。メンズファッション雑誌で編集として勤務し、2018年に独立。ファッションメディアを中心に時計や美容の編集/ライターも務め、カタログや広告のディレクションも手がける。ごりっごりのゆとり世代のお調子者(笑)。

三陽山長 日本橋髙島屋S.C.店 店長
上村 哲平
高身長のすらっとしたスタイルに爽やかな笑顔が特徴の店長。ファッション好きがこうじて三陽山長に入社し、その後革靴の沼にハマってその暦なんと16年。休日問わずに革靴を履き続けるほどにどっぷり浸かり、今では革靴を履かない日の方が違和感を感じるとか。

スタイリスト
五十嵐 堂寿
長野県生まれ。2011年に独立し、雑誌やカタログなど多くのファッションメディアの他、アーティストや俳優のスタイリングも多数手がける。若者から大人、ドレススーツからストリートまで、年齢層もジャンルも幅広いマルチなスタイリスト。

細谷 同じ三陽山長の直営店でも、ここは雰囲気が違いますね。
高塩 それは思った。東京のお店はモダンな感じだけど、大阪は「和」な感じがするよね。落ち着くというか。
山根 そう言っていただけるのはありがたいです。内装はかなりこだわっておりまして、日本の茶室建築の手法や意匠を現代的に解釈した外壁や床、木製格子を用いているんですよ。
細谷 まさに和モダンってやつですね! ここまでくる案内図で気づいたんですが、このビルってオフィスも入ってるんですか?
山根 そうですね。まっすぐ行くと企業さんが入られてるオフィスビルになります。
高塩 ということは、例えば商談前とかに、磨いてもらうこともできるってわけですね。
細谷 いや、なんなら買い物もできてしまうという……。
高塩 そんな急ピッチで買うものじゃないだろ(笑)。
山根 ははは。今後そういったご利用をされるお客様もいらっしゃるかもしれませんね。
細谷 ソファも座り心地いいし、窓側にもベンチが用意されてたりして、ゆったりできますね。
山根 くつろぎながらお買い物を楽しんでもらえるように、スペースもゆとりを持っています。
高塩 すごく広いですよね。フルラインナップ揃って、サンヨーコートも置いて窮屈さを全く感じない。
山根 ありがとうございます。
細谷 山根さんと朝山さんは、ここの以前は三陽山長のスタッフだったんですか?
山根 いえ、以前は三陽商会の紳士服ブランドの店舗を担当しておりました。
朝山 私も、ここの前は百貨店の紳士靴担当でしたね。
高塩 初めてとは思えない、似合いっぷりです。
細谷 本当に! 関西エリア初の出店だから、当たり前といえば当たり前ですが。革靴好きオーラが漂っています(笑)。

三陽山長 粋 グラングリーン大阪店 店長
山根 一也
三陽商会での勤続は22年。紳士服ブランドの店長を長らく勤め、今回グラングリーン大阪店の初代店長に大抜擢! 若い頃から変わらず革靴愛が強いらしく、買った靴の箱を開けた時の匂いがたまらなく好きなんだとか。

三陽山長 粋 グラングリーン大阪店 店長
山根 一也
三陽商会での勤続は22年。紳士服ブランドの店長を長らく勤め、今回グラングリーン大阪店の初代店長に大抜擢! 若い頃から変わらず革靴愛が強いらしく、買った靴の箱を開けた時の匂いがたまらなく好きなんだとか。
BUY三陽山長 粋 グラングリーン大阪店 スタッフ
朝山 友理
百貨店の紳士靴売り場を経て、三陽山長へ入社。元々ユニセックスなスタイルを好み、革靴が好きだったそう。そのため造詣も深く、男女両方の目線で靴選びを提案してくれるんです! 困ったら朝山さんに相談で間違いなしです。


三陽山長 粋 グラングリーン大阪店 スタッフ
朝山 友理
百貨店の紳士靴売り場を経て、三陽山長へ入社。元々ユニセックスなスタイルを好み、革靴が好きだったそう。そのため造詣も深く、男女両方の目線で靴選びを提案してくれるんです! 困ったら朝山さんに相談で間違いなしです。
BUY山根 ありがとうございます。私自身も関西出店を希望していたので、この発表は嬉しかったですね。
朝山 前職時代の紳士靴売り場でもお客様から「三陽山長の靴は置いていますか?」というお問合せを数多くいただいていたので、やっと大阪に来た!って気分です。
細谷 そんなに多かったんですか!
高塩 今までは、大阪で三陽山長を買うとなるとポップアップストアでしかなかったんですか?
山根 一部百貨店さんの紳士靴売り場に置いていたこともありますが、フルラインナップではないのでそうしたポップアップでしかチャンスはなかったと思います。
細谷 なるほど。そう考えると大阪店はいいキッカケになりそうですね! 待望のっていう感覚がわかります。
山根 そうですね。欲しかったんですが、自社のポップアップで買うっていうのもなんだか……ねぇ(笑)。
高塩 気持ちわかります(笑)。
細谷 もう安心ですね! 店舗限定モデルも充実しているし、逆に今は大阪のほうが東京では見られないアイテムが多く感じますね。
高塩 店舗限定の充実もそうだけど、まずこの大きなウッドテーブルが気になる。

「カジュアルで履くには装いをかなり選ぶけど、スーツなら逆にどんなスーツもクラス感をアップしてくれる。それだけのエレガンスと色気を備えているから、小細工は無用だと思います」(高塩)
「零」シリーズのアッパーに採用された、きめ細かな質感と自然な艶、ソフトな手触りが特徴のフランス・アース社が手掛けるボックスカーフ「アニキス」は、シームレス構造によっていっそう目を引くエレガンスを演出。靴一足で装いをワンランク上に格上げできる好例です。
一切継ぎ目のない「ゼロシーム」で仕立てた「零」シリーズのシグネチャーモデル・ホールカット「壱」。継ぎ目なしに立体的なフォルムを形成するのは非常に困難。それを完成させた、ブランドの矜持が詰まった一足です。素材選びにも妥協がなく、アッパーはフランス・アース社の最高級ボックスカーフ「アニキス」、ソールは英国・J.ベイカー社製オークバークレザー、そしてライニングには革好きお馴染みのデュプイ社製レザーを採用しています。外見はもちろん、中身も含めても、まったく隙のない仕上がりです。ちなみに「零」シリーズには専用のシューキーパーが標準装備されています。



三陽山長 企画兼営業担当
濱田 甫
三陽山長といえばこの人! な名物靴アディクト。上級ライン「匠」「極」の開発をはじめ、新作スニーカー「漆黒」「純白」や頂上ライン「零」の企画など、数々の名作を生み出しているブランドのキーパーソン。隙あらば靴の手入れをしており、連載スタッフの靴も空き時間で手入れしてくれる紳士です。


細谷 すごい存在感と重厚感ですよね。これは特別な木だったりするんですか?
山根 そうなんです。山形県鶴岡市の金峯神社から特別に譲り受けた御神木を使っています。
細谷 御神木! そう言われるとこの存在感は納得ですね。木目もいい味出してる。
高塩 専門家みたいに言うじゃん(笑)。でも、お店の雰囲気と合っていていいよね。これどのくらいの大きさなんですか?
山根 長辺は4.4mですね。
細谷 そんなに長いんですか!? 中央に鎮座していることで目を引きますね。
高塩 この御神木の上に並んでいるのが店舗限定ですか?
山根 手前の3足は今春ローンチした頂上ライン「零」シリーズで、奥の4足は店舗限定モデルになります。
細谷 店舗限定も「零」シリーズじゃないですか!
高塩 このありそうでないカラーがまたカッコいいですね。いい意味で色ムラがあるというか。もしかしてパティーヌですか?
山根 おっしゃる通り、パティーヌ仕上げです。職人が一足ずつ丁寧に染め上げています。
高塩 ってことは、一足ずつ個性があるんですね。
細谷 店舗限定でさらに唯一無二って……物欲刺激されるな〜。
高塩 そうだよね。派手すぎないトーンだから、カジュアルにも合わせられるし、カジュアルスタイルを上品に格上げしてくれるよ。
細谷 前回、黒のホールカットをコーディネートした時は、ドレスに全振りした方がいいと言っていましたが、確かにカラーが入ることでガラッと変わりますね。
高塩 あのブラックは自然な艶っぽさもあって、カジュアルだと靴が強く出過ぎてしまう印象があるんだよね。でも店舗限定のパティーヌならデニムとも相性がいいと思う。

細谷 こうしたちょっと派手なモデルが店舗限定って、他店とはまた違って思い切った感じがします。
山根 実はそんなことないんですよ。地域性ともいえますが、こうしたデザインは好まれると思います。
高塩 やっぱり少し派手なものが好まれるんですか?
山根 というよりは、もう一段上が欲しい気分があるんだと思います。シンプルなデザインよりもクセのあるもの、スニーカーだと機能も充実しているようなものが好まれる傾向にあるように感じます。
高塩 逆に東京だと王道のモデルが売れると聞いたことがあります。
細谷 そういう意味では、店舗限定の「零」シリーズはピッタリですね!
山根 おかげさまで好評いただいています。
高塩 実際に付加価値はすごいし、ラグジュアリーだけど汎用性もかなり高いから、コスパはかなりいいと思う。
細谷 カジュアルで映えるドレスシューズって、意外と見つからなかったりしますからね。こうしたカラーが入るだけで、ブラックとはまた違った楽しみ方ができるから嬉しい。とはいえ、王道を押さえた2足目以降って感じかな。
山根 そうですね。もし革靴デビューでコレが欲しいと言われたら、一旦落ち着きましょうって言ってしまうかも……(笑)。
高塩 相当レベル高い人ですよね。
細谷 山根さんを戸惑わせるファッショニスタ、現れないかな……(笑)。

細谷 このカウンターテーブルは、トップがレザーになってるんですね。
高塩 本当だ。これも特別な素材を使ってるんですか?
山根 こちらは、三陽山長の靴に使われている革を使用しています。このほかに陳列棚の天板にも同様の革を使っているんです。
高塩 じゃあ経年変化していくってことですよね?
山根 そうなります。
細谷 歴史を刻んでいくようでこれからが楽しみなりますね。
高塩 鏡面磨きもできるんですか?
山根 できます(笑)。
細谷 いいじゃないですか! ビッカビカのテーブル!(笑)
高塩 おふざけは置いておいて……。革靴にできることができるわけだから、スタッフもお客さんも楽しめそう。
細谷 ものすごい反射して、文字通り鏡に……。
高塩 しつこい(笑)。


高塩 サンヨーコートも充実してますね。フルラインナップですか?
山根 そうです。メンズ・ウィメンズともに展開しています。
高塩 空間の使い方なんですかね、これだけのラインナップ揃っているのに広々としてる。
細谷 窮屈さを感じさせませんね。什器の統一感もそうですけど、リラックスできます。関西初の出店ですから、今までできなかったことができるんじゃないんですか? 特に山根さんは感じてそう。
山根 そうですね。それこそ、私自身が三陽山長を購入するのに苦労しましたから(笑)。当店では、通年パーソナルオーダーを受けていますので、それも関西エリア初です。
高塩 “サイズが合わないけど欲しい”っていうモデルも、オーダーできるということですか?
山根 そうです。従来の直営店同様にパターンメイド企画を実施しているので、お好みの一足を作ることができます。ちなみにサンヨーコートもパーソナルオーダーができますよ。
細谷 それは嬉しいですね! 朝山さんが言っていたみたいに、三陽山長の靴を望んでいた人も多いですから、これはありがたい。
山根 ありがとうございます!
細谷 せっかくなので、高塩さんのオススメモデルを聞きたいです。
高塩 今までのモデルは全部見てきてるけど、やっぱり「零」シリーズの完成度は高いよね。定番の友二郎もいいし。
細谷 迷っちゃいますよね。
高塩 それでも、関西の方の好みとかも考慮すると、やっぱり店舗限定の2足かな!




細谷 「零」シリーズの店舗限定モデルと「狩伍郎」ですか!
高塩 ドレスとカジュアル両方で限定モデルを出していることもそうだけど、どちらもオンオフ使える懐の深さもあって。
細谷 去年Uチップの兼三郎を購入したばかりですけど、正直欲しいです!
山根 ありがとうございます。
細谷 ってことで、高塩さん! この2足のこなし方教えてもらいたいです。
山根 私も知りたいですね!
高塩 じゃあ早速……。
細谷 コーディネート紹介は次の記事で!

ライター
細谷 駿人
埼玉県生まれ。メンズファッション雑誌で編集として勤務し、2018年に独立。ファッションメディアを中心に時計や美容の編集/ライターも務め、カタログや広告のディレクションも手がける。ごりっごりのゆとり世代のお調子者(笑)。

スタイリスト
高塩 崇宏
栃木県生まれ。2009年に独立し、雑誌やカタログなど多くのファッションメディアの他、アーティストのスタイリングも手がけ、マルチに活躍するスタイリスト。ヤング誌から大人向けのメディア、アウトドアやゴルフも手がけており、ジャンルも多岐に。
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