

革靴の天敵ともいえる梅雨が終わったかと思えば、来るは夏。さらに軽装になり足元はスニーカー、いや、サンダルまで軽くなってくる季節がやってきます。昨今の猛暑を考慮すると革靴愛好家といえど、重すぎると感じて軽い靴に変える方もいらっしゃるのではないでしょうか。ただ、仕事で必要な時やドレスコードがあるレストランに赴くこともあり、夏でも革靴を履く、履きたくなる場面が出てくるはず! というわけで今回は、サマーシーズンにおける革靴の楽しみ方をスタイリスト高塩さんのコーディネートとともにご紹介!
ポイントになるのは、革靴の中でも短靴やブーツに比べて軽やかな、ローファーやスリッポンといったいわゆる“紐無し靴”を選ぶこと。シューレースがなくなることで、実に軽やかな印象になります。さらに! サマーカジュアルは、軽装でさっぱりするのでラフな印象になりますよね。そこに紐無し靴を合わせることで、革靴特有の程よい重厚感が上品な着こなしへと昇華してくれるんです。つまり、紐無しの革靴は夏コーデを大人っぽい雰囲気へとアップデートしてくれる小物なのです。
この一手を知っておくだけで、スニーカースタイルとの差別化もできるから、一週間の着こなしのバリエーションも増し増し。普段はスニーカーでも、時に革靴を楽しむだけで「今日はなんだか一味違う」、「やっぱり革靴が好きなんだね」と好印象を得られるかと!
「お洒落は足元から」の格言の通り、この夏もファッションを目一杯楽しんでくださいませ。

ライター
細谷 駿人
埼玉県生まれ。メンズファッション雑誌で編集として勤務し、2018年に独立。ファッションメディアを中心に時計や美容の編集/ライターも務め、カタログや広告のディレクションも手がける。ごりっごりのゆとり世代のお調子者(笑)。

三陽山長 日本橋髙島屋S.C.店 店長
上村 哲平
高身長のすらっとしたスタイルに爽やかな笑顔が特徴の店長。ファッション好きがこうじて三陽山長に入社し、その後革靴の沼にハマってその暦なんと16年。休日問わずに革靴を履き続けるほどにどっぷり浸かり、今では革靴を履かない日の方が違和感を感じるとか。

スタイリスト
五十嵐 堂寿
長野県生まれ。2011年に独立し、雑誌やカタログなど多くのファッションメディアの他、アーティストや俳優のスタイリングも多数手がける。若者から大人、ドレススーツからストリートまで、年齢層もジャンルも幅広いマルチなスタイリスト。

「ニットポロにデニムというさっぱりした着こなしでも高級感があって上品に見えるのは、こうしたエレガントなローファーがあってこそ。今回はインディゴデニムでシックに合わせていますが、白のパンツで爽やかに着こなすのも季節感を演出できてオススメです」(高塩)
オンオフ問わずに履けるコインローファー「弥伍郎」は、カジュアルスタイルでは上品見えを叶えるアクセント足しに有効。さらに、ウェアの色、小物の色、ともに統一感を持たせることでグッとお洒落な着こなしにアップデートできます。


カジュアルシューズの定番であるコインローファー「弥伍郎」。ボリューム感のあるカジュアルラストR2021をベースにしたローファーラスト「R2021S」の採用により、カジュアル方面への汎用性を獲得。その一方で、上質なアノネイ社のヴェガノカーフに、つま先と踵を色濃く仕上げた佇まいが、都会的なエレガンスを演出します。
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「春夏は秋冬に比べてお洒落が難しくなりますし、特に大人っぽさを演出するとなると、小物や色でどう着こなすかが鍵に。そういった意味では、革靴好きな方はアドバンテージがあると思います。スニーカーやサンダルでラフになるところを、この一手で上品見えが叶うので」(高塩)
夏らしいシャツ&白パンツのコーデ。これだけではさっぱりとしたラフな着こなしになってしまうので、足元はエレガンスを演出できるタッセルローファーが最適解。アクセント足しの小物感覚で革靴を用いれば、一気に高級感溢れる着こなしに!


2025年夏、タッセルローファー「鹿三郎」に新色が登場! 木型はローファー専用ラスト「R2021S」を採用し、手縫いによるモカステッチとレザーの編み紐がアクセント。タッセルと深みのあるダークブラウンがあいまって、ラグジュアリーなムードを薫らせます。通称“弁護士の靴”と称えられているだけあって、カジュアルながら大人の品格も漂わせる一足です。
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「オープントゥのグルカサンダルではないので、この一足ならジャケットセットアップも上品にまとまります。ドレスコードのあるレストランも行けるかと。さらにワンランク上を狙うなら、ソックスありで、かつ色にもこだわっていただきたいですね」(高塩)
ブラウンやベージュ、ホワイトといった、今人気のカフェラテカラーの着こなしにもマッチ。明るめのブラウンを採用し、光沢感もあるため、おカタい印象にならずに余裕を感じさせます。サングラスのレンズカラーやスカーフに靴と同系色を合わせるとなおよし!


ドレスシューズの外観とスニーカーの履き心地を併せ持つ「ドレススニーカー」、通称“ドレスニ”のコレクションから、夏らしいグルカサンダル「柔兵」をピックアップ。オープントゥのそれとは異なり、トゥが隠れるタイプなのでラフになりすぎず、きれいめなスタイリングにも好相性。サンダルの軽快な履き心地はそのままに、ラグジュアリーに見せることが可能です。
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「グルカサンダルとはいえ、足元だけブラックになってしまうと重たい印象になって目立ってしまいます。なので、どこかにダークトーンを入れてバランスを取るのが吉。軽やかなショーツとジャケットのセットアップが引き締まる要因にもなってくれます」(高塩)
ブラックゆえの存在感と重厚感があるため、ラフに見えがちなショーツスタイルも大人っぽくまとまります。ダブルブレステッドのジャケットとショーツのセットアップはゆったりとした着姿になりますが、それを「柔兵」とそれに色を合わせたインナーが引き締め、きちんと感のある着こなしに。


本来重厚すぎて夏には不向きとも思える黒の革靴ですが、「柔兵」ならそれも難なく解消。素足はもちろん、真夏前ならソックスオンでのお洒落も楽しめます。見た目以上に軽く、両足で約600グラムという軽さも魅力。アッパーはバッファローレザーを採用しています。
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「零シリーズぐらいラグジュアリーな一足ともなれば、ローファーなので休日カジュアルにも履けると言いつつも、やっぱり上品な着こなしに合わせたくなります。こうした一足を持っておくだけで、ドレスシーンではグッとお洒落に見えるから、手に入れておきたいですね」(高塩)
完成度の高いラグジュアリーさが漂う「零」シリーズとあれば、それに合わせて着こなしもリッチに、そしてビシッと決めたいところ。とはいえ、タッセルローファーの「参/SAN」は硬派になりすぎず、こなれ感のあるお洒落を気取れます。ゆったりしたダブルのスーツとなら、今っぽさと余裕のある大人の色気を見事に両立。品格のある立ち姿は、この足元あってこそ。


360度どこから見ても、一切継ぎ目のないゼロシーム仕立てが魅力の頂上ライン「零」シリーズ。こちらはシグネチャーモデル、タッセルローファー「参/SAN」。継ぎ目のないミニマルなルックスがいっそう際立ち、タッセルのアクセントがより強く引き立ちます。フランス・アース社が手掛けるボックスカーフ「アニキス」のきめ細かな質感と自然な艶がラグジュアリーさを加速させ、クラス感のある佇まいに。季節関係なく、ここぞの場面で履ける“勝負靴”になってくれます。
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ライター
細谷 駿人
埼玉県生まれ。メンズファッション雑誌で編集として勤務し、2018年に独立。ファッションメディアを中心に時計や美容の編集/ライターも務め、カタログや広告のディレクションも手がける。ごりっごりのゆとり世代のお調子者(笑)。

スタイリスト
高塩 崇宏
栃木県生まれ。2009年に独立し、雑誌やカタログなど多くのファッションメディアの他、アーティストのスタイリングも手がけ、マルチに活躍するスタイリスト。ヤング誌から大人向けのメディア、アウトドアやゴルフも手がけており、ジャンルも多岐に。
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