目指すのは、新基準の本格靴。
ニッポン靴の、新しいスタンダードを創る。
三陽山長の上級ライン「匠」は、
そんな目標を掲げて誕生しました。
品質本位、丁寧実直な靴作りを
ひたむきに貫く
ニッポン職人の技は、
世界の一流ブランドと
比べてもなんら遜色がありません。
そんな彼らのポテンシャルを最大限に
引き出せば、
“〝ニッポンの品質〟”の水準を
新次元へと高めることができるはず。
私たちは、そう考えています。
履いた瞬間から足に馴染む
「フレキシブルグッドイヤーウェルト製法」。
繊細な感性と技を
これまで以上に研ぎ澄ませて作り上げる
静かな存在感を放つ一足。
手から手へ、人から人へ、
脈々と受け継がれてきたニッポンメイドの美学。
その新境地がここにあります。
三陽山長を代表する、ブランドの顔とも言えるストレートチップ。アイレット横にあしらわれた「スワンネックステッチ」と呼ばれる曲線が、シンプルなデザインにさりげない華を添えています。木型はブランドを象徴するラウンドトウラスト「R2010」。甲の高さを低めに抑え、ヒールは小ぶりに設計するなど、日本人の足型に最適化されたシェイプが特徴です。
レギュラーコレクションで展開していた「匠一郎」が、「匠」シリーズの一足としてバージョンアップ。本作の特色である「レベルソ仕立て」はそのままに、フレキシブルグッドイヤーウェルト製法でさらなる高品質を叶えました。ソールも高級感のある半カラス仕上げに変更。革を縫い合わせる際、端を折り込むようにしてステッチを内側に隠すレベルソ仕立ては、まさに匠の職人技です。
こちらもストレートチップですが、より細身なスクエアトウラスト「R309」を採用することで、洗練された顔つきに仕上げられています。アイレット横のステッチもスワンネックではなく、シンプルなラインに。ビジネススタイルの品格を保ちつつ、鋭敏さを感じさせる足元を演出したい方におすすめです。
定番モデルのひとつとしてブランド創業当初から人気を博す「源四郎」も「匠」シリーズに加わりました。バックルとベルトで甲を固定するダブルモンクストラップは靴紐を結ぶ手間を省ける利便性に加え、スーツからジャケット&スラックス、ビジネスカジュアルまでマッチする汎用性の高さも魅力。木型は友二郎と同じ「R2010」。
これまでブラックの「スムースレザー」のみで展開していたパンチドキャップトウ「匠 弦六郎」に、イタリア・イルチア社が手がけた「ラディカ」レザー版が登場。まるで絵画のように濃淡がつけられたダークブラウンは、シックかつアーティスティックな表情を足元に演出します。もちろん、スーツからジャケパンまでカバーする汎用性は健在。ビジネススタイルに彩りと洗練を加える一足です。
アデレードとよばれる竪琴形の切り替えをシューレースの周りに手縫いであしらったデザインが目を惹く「匠 琴之介」。ドレッシーな内羽根プレーントウながら、印象的な曲線美が効いてさりげない色気を醸し出す一足。その魅力を、バーガンディの「ラディカ」レザーがいっそう引き立てます。秋冬ならフランネルやコーデュロイ、春夏ならリネンやコットンといった、表情ある生地と相性抜群です。
「匠」シリーズと通常ラインとの最も大きな違いは、底付けの製法にあります。ともに本格靴の王道であるグッドイヤーウェルト製法ですが、「匠」シリーズが用いるのは「フレキシブルグッドイヤーウェルト製法」という三陽山長独自の仕立て。通常のグッドイヤーでは中底にリブテープとよばれる部品を貼り付け、そこにアッパーとの繋ぎ役になるウェルトを縫い付けていきます。対してフレキシブルグッドイヤーでは、中底の端をめくるようにして革を起こし、そこにウェルトを縫い付けます。つまり、リブテープという余計な部品を用いないぶん、底の屈曲性が格段にアップするというわけです。ちなみにこの作業、小刀のような道具を使って職人がひとつひとつ手で行っています。
さらに、通常のグッドイヤーではクッション材としてコルクを仕込むところを、フレキシブルグッドイヤーではより柔軟なフェルト材にすることで、さらなるしなやかさを実現。“堅牢さに優れるものの、馴染むまでが硬い”というグッドイヤーの欠点を克服し、驚くほど柔らかな履き心地を叶えたのです。
紳士靴の優美さは、曲線と曲線の乱れなき連なりによって醸し出されます。「匠」シリーズではその曲線美をさらに追求。象徴的なのは、土踏まず周りに採用された「セミべヴェルドウエスト」仕立てです。一般的な靴よりもシェイプを絞り込み、抑揚をつけて仕上げられているのがわかるはず。これによって、靴全体にグラマラスな曲線美が強調され、いっそう流麗な佇まいになるのです。もちろんこれも、職人の手仕事がなせる技。世界の高級靴にも採用される意匠です。
ニッポンならではの美意識は、細部にこそ色濃く宿ります。グッと目を凝らしても全く乱れのない縫製は、まさに精緻の一言。一針一針に決して手を抜かない作り込みは、靴全体の表情にも少なからず影響を与えます。デザインこそ海外の様式を踏襲していますが、そこに込めた職人魂はニッポン独自のもの。一見同じように見えて、イギリスともイタリアともフランスとも違う“ニッポンの佇まい”があります。それは、三陽山長が放つオーラと言い換えることもできるものです。