【Paul Stuart Director’s Remote Talk】 SIDE B:鴨志田康人×ラルフ・オリエンマ「NYと東京の話をしよう」


東京・NYのリモートで、ポール・スチュアートの日本のディレクター鴨志田康人とNYでデザインディレクターを務めるラルフ・オリエンマ(RALPH AURIEMMA)が久しぶりの再開。前編SIDE Aでは、洋服の話で盛り上がりましたが、今回は、NYと東京のお気に入りスポットの話に。大人の男の癒やしの場所と店、こっそり教えます。

 

Text. Makoto Kajii / Photo. Fumi Suzuki(NY)
Edit. FUTURE INN

 

コロナ禍を経て、ラルフ・オリエンマが好きなNYを紹介

 

鴨志田康人(以下、鴨志田) ラルフさん、サマーバケーションはどこへ行かれる予定ですか。

 

ラルフ・オリエンマ(以下、ラルフ) 今年は夏休みはないですね。仕事をしていますよ(笑)。

 

鴨志田 ラルフさんは家に生地見本を持ち帰るほど仕事熱心ですが、息抜きはどうされているんですか。

 

ラルフ コロナの間はやはり人が少ない場所に行くことが多かったですね。最近のお気に入りは、セントラルパークの105丁目の5番街に入口がある「コンサバトリーガーデン(Conservatory Garden)」です。

 

「Conservatory Garden」

 

鴨志田 メトロポリタン美術館より北にある庭園ですね。

 

ラルフ 季節の花がとてもきれいに咲くガーデンですが、セントラルパークで唯一の正式な庭園で、街の喧噪から程よく離れられて大好きです。

 

「Conservatory Garden」

 

鴨志田 僕もコロナ禍では、ラルフさんがセントラルパークに行くように、都心より郊外に出ることが増えましたね。食事が美味しくて人気の店も金沢や仙台などの地方に増えてきていて、一極集中から分散していくのはとてもいいことだと思っています。スポーツもゴルフがブームになって、ポール・スチュアートもゴルフラインを始めたのはご存知の通りです。

 

 

ミッドタウンの象徴的な公園で、お気に入りのチョコレートを食べる至福

 

ラルフ 鴨志田さんがNYで好きな場所は?

 

鴨志田 NYの公園では、ブライアントパーク(Bryant Park)が好きですね。ミッドタウンのオフィス街にあるからリサーチで疲れた時などに立ち寄って、公園の中にある素敵なカフェで一息つくのが大好きです。話していたら行きたくなりました(笑)。

 

 

ラルフ ブライアントパークは自分も好きですよ。公園の近くにお気に入りのチョコレートショップがあって、行くと散財してしまいます(笑)。ブライアントパークはスケートリンクとクリスマスマーケットが有名で、ミッドタウンのオフィスビルに囲まれた中で緑も多くて。今のシーズンは、毎週月曜の夜に無料イベントのMovie Night(ブライアントパーク野外映画祭)をやっています。

 

PHOTO:ブライアントパーク ※2022年2月25日の記事より

 

鴨志田 今は緑が濃くて気持ちいい季節ですよね。本当に行きたくなってきました。ほかに最近のオススメのホットスポットはありますか。

 

ラルフ コンサバトリーガーデンの雰囲気とは真逆で、SOHOには活気が戻ってきていますよ。アートギャラリーやデザイナーショップなどクリエイティブな刺激を求める人で、週末はとても混んでいます。

 

 

鴨志田 人も戻ってきているんですね。オススメのレストランはどこですか。

 

ラルフ ステーキハウスはNYにたくさんありますが、一番好きなのは、マディソン街45番地にあるポール・スチュアート本店のすぐ隣り、モートンズ ザ ステーキハウス(Morton's The Steakhouse)です。鴨志田さんもご存知の通り、とてもトラディショナルな店で、シナトラやサミー・デイヴィスJr.らが店に入ってきそうな雰囲気です。

 

「Morton's The Steakhouse」551 5th Ave, New York, NY

 

JAPAN TRADITIONALを美しく演出するThe Okura Tokyoの鉄板焼き

 

鴨志田 モートンズは自分も大好きです。ラルフさんは、日本に来ても日本料理よりお肉ですもんね。今度、ラルフさんが来日したら、連れて行きたい店があります。

 

ラルフ ぜひ、僕を驚かせてください(笑)。

 

鴨志田 The Okura Tokyoの鉄板焼「さざんか」に一緒に行きましょう。肉好きのラルフさんですから、やはり和牛の美味しさを味わってほしいです。せっかくですから、ホテル建て替え前の意匠を継承した館内の和モダンの佇まいもぜひ見てほしいですね。

 

PHOTO:The Okura Tokyo

 

ラルフ 鉄板焼という日本独特の肉料理にはとても興味があります。日本ならではのホスピタリティも味わってみたいですね。美味しいお肉を食べたら、バーへ行きましょう。

 

PHOTO:The Okura Tokyo

 

鴨志田 そうですね。ラルフさんとはNYで、ザ・カーライル・ホテルのバー「ベーメルマンス(Bemelmans)」へ行ったことがありますね。ホテルのアールデコ調の内装や、画家ベーメルマンスの壁画で彩られたバーは、まさにThis is NY!!です。

 

ラルフ 自分は流行を追いかけるタイプじゃないので、トラディショナルな場所や店がしっくりくるんですよね。

 

鴨志田 モートンズ ザ ステーキハウスもベーメルマンスも、“スーツを着たジェントルマン”がとても似合う店です。

 

「Paul Stuart」Madison Ave &, E 45th St, New York, NY

 

ラルフ 今度、鴨志田さんがNYに来たら、高層オフィスビル「ワン・ヴァンダービルト」の展望台「サミット・ワン・ヴァンダービルト」にも行きましょう。観光客にすごい人気ですよ。

 

Photo:Summit One Vanderbilt ※2021年11月12日記事

 

鴨志田 グランドセントラルターミナルに直結するビルですよね。高いところ大丈夫かな?(笑)。

 

ラルフ サミットは、ニューヨーク市内で4番目の高さで、高さ1100フィート(335メートル)にあるので、東京タワー(333メートル)より高い位置にあります。

 

鴨志田 それはすごいですね。今から楽しみにしています!

 

「Paul Stuart」Madison Ave &, E 45th St, New York, NY

 

鴨志田康人(かもした やすと)
1957年東京生まれ。多摩美術大学卒業後、株式会社ビームスに入社。販売、メンズクロージングの企画、バイイングを経験。1989年に退社し、ユナイテッドアローズの創業に参画する。2007年に自身のブランド「Camoshita UNITED ARROWS」を立ち上げる。日本はもちろん、欧米やアジアでも多くのファンを持ち、アジア人では初めて第84回「ピッティ・イマジネ・ウオモ賞」を受賞。2018年に自身の会社を設立し、2019年秋冬コレクションより、ポール・スチュアートの日本におけるディレクターに就任する。

ラルフ・オリエンマ(RALPH AURIEMMA)
米国系の会社で米国市場向け製品の開発を担当後、シャツの「ロレンツィーニ」とトラウザーズの「インコテックス」で米国市場向けのデザインと企画を9年間担当する。その後、「ラルフ ローレン・パープルレーベル」のデザインを担当。2006年にポール・スチュアートに入社し、「フィニアス・コール」の2007年秋冬コレクションに参加し、デザインディレクターを務める。2014年に新CEOが就任し、ポール・スチュアートのクリエイティブディレクターに指名される。

 

The Okura Tokyo 鉄板焼「さざんか」
TEL 03-3505-6071
東京都港区虎ノ門2丁目10-4 オークラ プレステージタワー 41F
営業時間 11:30~14:30(ランチ)17:30~21:30(ディナー)

 

 

 SIDE A:鴨志田康人×ラルフ・オリエンマ「洋服の話をしよう」はこちら

 

 

ポール・スチュアート 青山本店
TEL 03-6384-5763
東京都港区北青山二丁目14-4 ジ アーガイル アオヤマ 1F
営業時間 11:00~20:00
併設するバー「THE COPPER ROOM(ザ コッパー ルーム)」
18:00~24:00 ※同一テーブルでの会食は4人以内
※酒類の提供を再開しております
これまで同様、感染防止対策を徹底し営業いたします。
ご不明な点がございましたら、ショップまでお問合せください。