【Paul Stuart 2022 Fall & Winter COLLECTION】 ─ディレクターが語る秋冬シーズンの装い方─ カタログを見ながら感じてほしい、新しい服を纏うよろこび


「ポール・スチュアートに買い物にいくと、欲しいものと新しいものが必ずある」――ポール・スチュアートの服作りに関わっている者すべてが、お客様にそう感じてほしいと、今年の秋冬シーズンを迎えます。

 

新しいシーズン立ち上がりに恒例になった、ポール・スチュアートメンズディレクターの鴨志田康人とウィメンズディレクターの見上きよみによるシーズンテーマの解説。すでにお手元に届いているカタログをパラパラめくりながら、これからのおしゃれの季節の装いのイメージを大きく膨らませてください。

 

Photo. Yoshimi Seida / Text. Makoto Kajii
Edit. FUTURE INN

 

【Paul Stuart Men’s】シーズンテーマは「Review of Dressing Right」。気分が上がる男の“自分らしい装い”の世界へ

 

メンズファッションの指南書・名著として名高い『Dressing Right』がアメリカで発行されたのは1978年。サッカーW杯でマラドーナが躍動して開催国のアルゼンチンが優勝。日本では成田国際空港が開港し、映画『サタデー・ナイト・フィーバー』の大ヒットでディスコブームが起こった年です。

 

ディレクターの鴨志田康人が『Dressing Right』を手にしたのは80年代初頭。レイヤード(重ね着)やアウトドアミックス、ドレスダウンなど、ファッショナブルに着飾るアメリカ人を見て、「普遍的だと思いこんでいたアメリカントラッドもどんどん変化しているんだな」と感じたそうです。

 

 

――なぜ今、「Review of Dressing Right」というテーマなのでしょうか。

 

鴨志田康人 『Dressing Right』が発刊された70年代後半は、ヨーロッパファッションの波がアメリカのマーケットに影響を及ぼし、それまで保守的だったアメリカの男性像が華やかに変貌した時代です。当時アメリカでポール・スチュアートはお洒落なエグゼクティブや文化人から絶大な支持を得ていて、日本ではソフトトラッドとも呼ばれ、アメトラ(アメリカントラッド)信望者の意識が大きく変わり始めた頃でもあります。

 

ポール・スチュアートがアメリカンクラシックの中心的存在で、ニューヨークトラッド全盛の70年代後半から80年代にかけてが、今、新鮮に思えました。

 

 

――改めて“Dressing Right”はとても簡潔で分かりやすい言葉ですね。

 

鴨志田 Dressing Right、品を感じる響きの良い言葉ですね。私なら「身だしなみ」と訳しますが、社会人としての自分の立ち位置の表明であり、相手をリスペクトする装いであり、Dressing Rightを意識することで、気分が上がる着こなしが楽しめます。

 

――出来上がった秋冬カタログを見て、お客様に何を感じてほしいですか。

 

鴨志田 『Dressing Right』では、全体を通じて、自分らしいスタイルを見出すための様々な服や着こなし方が提案されていますが、2022年の秋冬には、「自分らしくいられること、自分のパフォーマンスを上げてくれる服」という“個”が主役の社会生活に変わってきています。

 

カタログを見ていただくと、モデルたちがスーツやジャケット、コートをとてもリラックスした感じで着こなしているのが伝わるはずです。また、秋冬シーズンならではのレイヤードルックや、シーグリーン、ダスティピンクなどのダーティーパステルのカラーの提案、英国素材のコートやシェットランドヤーンで編み立てたスウェットなど、ゴージャスな素材を身に纏ったときの感触(タッチ)の面白さなども新鮮です。

 

 

――オリジナルの銅色(コッパー)ボタンのブレザーが展示会では好評だったそうですね。

 

鴨志田 2021年秋冬シーズンから3シーズン目になりますが、今季はシングル・ダブルのブレザーが登場します。銅色のボタンが10円玉のように色がくすんでくると、またカッコイイですよ。継続して提案しているワイドラペルのジャケットもお客様に浸透してきていて、新しいモノにトライし続けることは大事だなと思います。

 

 

――では、最新カタログを手にされたお客様にメッセージを。

 

鴨志田 70年代後半から80年代にかけて一世を風靡したアメリカンクラシックの「自由でいてエレガンスな装い方」を、ポール・スチュアートらしく表現しているシーズンです。ポール・スチュアートのお客様に、装いを通して時代を表現することと、大人のアメリカングラマラスなクラシックな世界の面白さを伝えたい。

 

清廉でクリーンなブランドの世界観の中に、大人の色気を少し香らせながら新しい装いを愉しんでいただけたら幸いです。

 

【Paul Stuart Women】シーズンテーマは「Back to Manhattan」。ニューヨークへ思いを馳せて、ビジネスに立ち向かう

 

昨年秋冬シーズンのウィメンズのテーマは「Longing for Country Life」。コロナ禍だったこともあり、全体的にリラックスムードのある「エフォートレスシック」をサブテーマに、都会からカントリーライフへエスケープしました。それに対して、今シーズンはずばり、ポール・スチュアートの原点である、ニューヨーク・マディソンアベニューに「Back to Manhattan」。

 

ディレクターの見上きよみは、「グレーのビルや地面から立ち上る蒸気の感じ、私の体験したニューヨークのオフィス街を思い起こし、赤やボルドーをアクセントに颯爽と歩きたい気分です」と語ります。

 

 

――コロナ禍の中でのリラックスから一年後、仕事モードへの切り替えですね。

 

見上きよみ コロナの出口が見えつつある今は、まさにBack to Business。ポール・スチュアートのお客様の多くは第一線で働く女性、リモートワークや会食の制限など、いろいろな意味で時間の使い方、暮らし方が変わった今、新たな気持ちでビジネスに向かおうというテーマです。

 

――リラックスから仕事への揺り戻しの中で、カタログのページ構成がとても斬新でした。

 

見上 カタログ制作には企画段階からスタイリング、撮影、写真チェック、ページ構成までしっかり関わっています。今回の表紙は、ブランドを象徴するジャケットスタイリング。サブテーマの「TRICOLORE(トリコロール)」が美しいイタリアンファブリックを使ったジャケットにダークネイビーのタートルネックニットを合わせました。

 

――表紙をめくってビックリしました。

 

見上 冒頭に、この冬の主役になるコートをトルソーに着せて、インパクトある構成にしました。ダウンコートやキルティングコートなど機能的でスポーティーなアイテムは便利ですが、やはりカジュアルな印象になります。ロングブーツがトレンドのこの冬はカシミヤや上質ウールのコートを「お洒落に着て出かけたい」気分です。

 

 

――秋冬カタログの見どころを教えてください。

 

見上 私が“生地オタク”(笑)なので、いつも大切にしているのは、素材の良さや着心地です。コロナ禍を経て洋服に対する考え方やルールが変わって、たとえばこれまでならスーツのインナーはブラウスでしたが、もう少し気持ちを楽にできるニットを合わせたり、今、私が着ているライン入りのニットアンサンブルをスーツに見立てて会食へ行ったり。着こなしの変化を感じてほしいですね。

 

 

――カタログに掲載している上の写真の空気感も素敵です。

 

見上 私も気に入っている写真です。レザーは秋冬に着てほしいアイテムの一つで、この形は毎シーズン出していますが、今季はスエードで提案。こういうアイテムを着たいと思ったときに、「ポール・スチュアートならある」と思っていただくことが大事で、シーズンのエッセンシャル(必須)アイテムです。

 

 

――では、最新カタログを手にされたお客様にメッセージを。

 

見上 ページをめくるたびに新しい発見がある紙のカタログは私も大好きです。暮らしがどんどんコンビニエントになっていく中で、気がつくと服も簡易的に捉えられがちですが、良質な素材の膨らみを感じたり、新しい着こなしのルールをキャッチアップすることはとても大切なことです。カタログをめくりながら感じたことを、ご自身で表現してみてください。

 

ポール・スチュアート 青山本店で、「VIOLIN RECITAL」を毎週日曜午後に開催

ポール・スチュアート 青山本店では、毎週日曜日にヴァイオリン リサイタルを開催します。プロのヴァイオリニストをお招きして、14:00~14:30と15:00~15:30の2回(各公演30分)の演奏を予定しています。開催中はドリンクの無料サービスを行います。ぜひこの機会にご来店ください。

 

 

 

ポール・スチュアート 青山本店
TEL 03-6384-5763
東京都港区北青山二丁目14-4 ジ アーガイル アオヤマ 1F
営業時間 11:00~20:00
併設するバー「The COPPER ROOM(ザ コッパー ルーム)」
18:00~24:00 ※同一テーブルでの会食は4人以内
※酒類の提供を再開しております
これまで同様、感染防止対策を徹底し営業いたします。
ご不明な点がございましたら、ショップまでお問合せください。