鴨志田康人・イン・ヨーロッパ Vol.1 ピッティでフィレンツェ~ローマへ
年明け、1月7日(火)から10日(金)までイタリア・フィレンツェで開催された、世界最大級のメンズファッション見本市「PITTI IMMAGINE UOMO(ピッティ・イマジネ・ウオモ)」。ポール・スチュアートの日本におけるディレクター鴨志田康人ももちろん参加しました。今回の出張は、1月6日(月)から21日(火)までで、本人曰く「わりと短い方」だそうですが、出発からフィレンツェ~ローマ~ミラ ノ~パリの“見て歩記”を2回にわたってお送りします。鴨志田ファン、必見!
Edit. FUTURE INN
「鴨志田さんは出張のとき、何を着て、何を持って行きますか?」――よく訊かれますね。今回の出張は
パリ シャルル・ド・ゴール空港でのトランジットのときは、
フィレンツェに着きました。20年ほど常宿にしている『GRAND HOTEL MINERVA(グランド ホテル ミネルバ)』で朝食を。このホテルは、地元に根づいた老舗で、駅にも街にも近く、ピッティ会場まで歩いて15分ほど。とてもアットホームで便利で、快適で過ごしやすいところが気に入っています。屋上にはプールがあって、夏場は夜な夜な仲間とプールサイドで飲み明かしていました。
ピッティ期間中は、7時半ごろに朝食をとって、着替えて、歩いて会場へ向かい、9時に集合。4日間、会場を見て回ります。ランチは「ピッティクラブ」でケータリングのブッフェがフリーサービスなんですが、これが日本のヘタなイタリアンレストランより美味い。夜は何かしらのイベントが開催されているので、18時の閉場後、いくつか挨拶まわりをしてから会食に向かいます。
ピッティ期間中の夜は会食続きなので結構ヘビーです。今回は、1日は息抜きで、ビームスの中村君をはじめ何人かでフィレンツェの街中にあるお気に入りのマルシェへ。パスタ、ピザ、お肉、中華まであって、すごく流行っています。リーズナブルで美味しいですよ。
ピッティ初日は会場で会う人会う人、「明けましておめでとう!」と挨拶をして会場を回ります。
真ん中のサンタクロースみたいな紳士は、大手のシルクメーカーの元ディレクターのルイージさん。現在は
右側は、自分が師と仰ぐサルトの一人、アントニオ・リベラーノさん。
ローマに「Camoshita UNITED ARROWS」を扱ってもらっている『CHEZ DEDE(シェ
デデ)』というヴィンテージ物も扱っている雑貨屋があります。まだ見に行ったことがなかったので、今回日帰りで訪れました。夫婦で経営している店で、ダンナさんがアーティストなんですが、二人で世界中を旅していて、自分たちの目に叶った商品を扱っています。
ローマの中心街からちょっと外れた場所にありますが、行ってみたらとてもアーティスティックでチャーミングな店でした。「Camoshita UNITED ARROWS」は4年ほど扱ってもらっていて、「色使いが美しい。クオリティもいいし、オーソドックスだけど雰囲気を持っている」とお褒めの言葉をいただきました。
それからお店の名前は失念してしまいましたが、夫妻が薦めてくれたローマのお惣菜屋を兼ねたレストランが、自分が約30年間に行った今までのイタリアレストランの中で一番美味しかった! 奥さまが「予約は取れないと思うけど……」と電話してくれたらラッキーにも席が取れて。ランチだったのでパスタメインでしたが、食べたらびっくり。「これが本当のローマのカルボナーラ!」「これが本物のアルデンテ!」に出合えました。写真がなくて本当に残念です。2人でランチして80€ぐらいでしたが、パスタに対する美味しさの基準が上がりました。すごく良い経験をした一日でした。
フィレンツェの街を横断するように流れるアルノ川は、ヴェッキオ橋(ポンテ・ヴェッキオ)やヴァザーリの回廊などの観光名所とも出合える川。
常宿ホテルの前にはサンタマリア・ノヴェッラ教会があり、その裏にある薬局で、フィレンツェに着いたら必ずポプリを買う習慣を25年ぐらい続けています。出張の最初に買うと、帰国するまで、ずっといい香りに癒やされるので、皆さんにもお薦めしますよ。自分へのお土産ですか? 最近はパスタやバター、オリーブオイル、面白そうな調味料などの食材と石けんぐらいかな。今回はローマの雑貨屋さんでアールデコ時代のツボを購入しました。
もう一枚は、ピッティ会場での仕事風景。ポール・スチュアートで買い付けるネクタイの柄を選んでいるところですね。はい、ちゃんと仕事もしています。