竹中俊 スペシャルインタビュー

ECOALF

  • 2021.2.5

20AW COLLECTION SPECIAL INTERVIEW

見て見ぬフリをしてはいけないと叫び続けた

社会活動家
竹中 俊さん Shun Takenaka

貧困問題と環境問題は密接につながっている

僕はネパールで34人の孤児の生活保護を行っていますが、皆さんはネパールという国にどんな印象をもっていますか? じつは僕自身、アジアで最も貧しい国といわれているからきっと幸せじゃないだろうとネガティブな印象をもっていました。でも、現地の子どもたちに出会って印象は変わりました。仕事がなくて物乞いしていたり、教育を受けられなかったりしているのに、すごく前向きに生きているんです。それで、この子どもたちにごはんを食べさせてあげよう、学校に通わせてあげようと思ったのが活動のきっかけです。

最初の3年間は何も変わりませんでした。施設にお金を渡して逃げられたこともありました。それでも見て見ぬフリをしてはいけないと叫び続けた結果、SNSで話題になり状況は変わり始めました。今は環境に対するアクションも起こしています。たとえば、ネパールには気候変動で作物が育たなくて食糧難の地域がいっぱいあります。海洋ゴミの問題も同じです。年間800万トンのプラスチックゴミが海に流れていて、2050年にはその重量が魚の重量を超えるといわれています。そうなれば、魚を獲って生活している人は生きていけなくなる。お金がなくても食べ物があるからどうにか生きていた人が、食べ物を失ってしまう。だから、貧困問題解決のためにも環境は守らなくてはいけないんです。

もっとシンプルに、今あるものだけを大切に

普段はアドレスホッパーとして、キャリーバッグ1つで生活しています。「自由に旅行できてお金あるね」と言う人がいますが、むしろ僕はお金がなくてこの生活を始めました。世界の状況を知ってから無理にライフスタイルを変えたわけではないから、何も苦なことはありません(笑)。世の中にはストレス発散のために買い物する人もいますが、ものが増えれば増えるほどムダな頭の使い方が増えて非効率的になってしまうと思います。だからもっとシンプルな生き方で、今あるものだけを大切にしていこうと伝えています。たとえば、ものを必要以上に持たないとか、ゴミになるものをそもそも買わないとか、いつかは不要になるトレンドのようなものに手を出さないとか。自分の健康や心や経済面を考えたら、そういう生き方を選択するのは当たり前だと思っています。海外支援と聞くと大きく感じられるかもしれないですけど、日々の生活を少し変えるだけでたくさんの貢献ができるんです。

WITH 20AW COLLECTION

オーバーサイズのファッションが好きなので、エコアルフのアイテムではロンTとかパーカーとかダウンとか、ダボっと着られるものが気に入っています。1デザインでいろんなカラーがあるし、デザインもシンプルだから、ストリート系だけでなくどんなスタイルにも組み合わせやすいですね。トレンドがないから、来年も再来年も着られます。

元々、衣食住という身近な場面でサステナブルを伝えられないかと考えていて、世界の企業の取り組みを勉強していましたが、そのときからエコアルフのことは知っていました。服を売るのではなく海からゴミをなくしたいというメッセージに共感しました。ゴミを資源に変えるという、ものの見方の変化はとても大切です。そういう自分の伝えたいメッセージを着ているだけで伝えられるという点で、エコアルフは僕にとって素晴らしいツールです。

ASPEN ダウン ジャケット / ASP JACKET MAN ¥25,300(税込)

竹中 俊さん

1996年、大阪府生まれ。ネパールで貧困に苦しむ子どもたちの生活支援に取り組み、現在は34人の子どもが生活を送る児童養護施設を運営。食事支援や教育支援を行い、社会進出を応援している。2020年には100日間に及ぶ船旅を経験。美しい海に流れるゴミの問題を目にして環境活動の発信も積極的に行う。Instagramのフォロワーは1.4万人。現在は日本中を旅しながら講演活動を行い、またサステナブルな生活を実践している。