OUR STORY

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ポール・スチュアートの顧客 

ポール・スチュアートを訪れる著名人の名前を挙げる、ということは基本的にしないのだが、今回この場を借りて少しだけ紹介すると、政界、財界、ハリウッド、そして音楽の世界からも幅広い世界の華やかな顧客たちがずらりと揃う。ジャズの大物たちもそうだ。マイルス・デイヴィス、アート・ブレイキー、ロン・カーター、ビリー・テイラー、そして最近ではジャズギタリストでヴォーカリストのジョン・ピザレリも、皆、ポール・スチュアートで買い物を楽しんでいる。
そしてフランク・シナトラも。紳士服担当マネジャーのジョン・フェアレイはこう回想する。「我々が存じ上げるお客様の中で一番怖いお客様でした。」ポール・スチュアートではお客様からチップを受け取ってはならない、という厳格なルールが徹底しているのだが、「シナトラ様の100ドル札はお断りできませんでした。」そんな逸話も残っている。
また、作家のデイヴィッド・マッカローは自身の著書である『1776年』にも販売員のひとり、ラヴィ・カンナのことを語っている。