鴨志田康人流ウェルドレッサー術「パーティーの緊張度に寄り添う装い方」


鴨志田康人流ウェルドレッサー術「パーティーの緊張度に寄り添う装い方」

 

いつもより華やかな気分で、キリッとした特別な日も多い年末年始。パーティーシーズンならではの緊張度に相応しい装いや場に応じた着こなし、本当にできていますか。フォーマルとはひと味違う“イマドキのドレスアップ”を、ポール・スチュアートの日本におけるディレクターの鴨志田康人がナビゲートします。

 

Photo. Mitsuki Nakajima / Text. Makoto Kajii
Edit. FUTURE INN

 

 

パーティーの緊張度に応じて、着こなしのチューニングが大事です

 

インビテーションが届いて、ドレスコードに「フォーマル、ドレスアップ」などと書かれていたら、皆さんは何から装いを考えますか。私は、パーティーの主催者や趣旨、会場・時間、さらに出席者のメンバーを想定して、ふさわしいスタイルを考えます。ただ、それでも“どこまで装っていいのかという塩梅”が難しいものです。

紳士のフォーマルには、ブラックタイを頂点とするルールがあります。最近は、日中の結婚式や披露宴などでタキシードが当たり前になっていますが、本来は、夜のシーンにタキシードを着るからカッコイイもの。そういうスタンダードなフォーマルな装いは、社会人として知っておくべきマナーの一つであると同時に、メンズのルールは時代の変化に合わせてアップデートしているのも事実です。

「STYLE LESSON for MEN」第1回では、正統な着こなしを理解した上で、ツイストを効かせた“イマドキのドレスアップ”をご紹介します。

 

 

パーティーシーズンに便利な一着は、黒のベルベットジャケット

 

「男性の装いは先人のカッコイイ人から学べ」とよく言われますが、特にフォーマルに関しては、自分だけ浮くのもカッコ悪いし、みんなと同じでもつまらない。場に馴染みすぎず、おしゃれを楽しんでいる感じも香らせたい――そんなときに重宝するのが、黒のベルベットジャケットです。

 

 

KAMOSHITA Styling

 

 

 

今日の着こなしは、ピークドラペル・シングルのベルベットのジャケットに、上品な素材感のタートルネックニット、シェパードチェックのパンツに黒のスエード靴です。コーディネートのときに考えたのは、「気取らず、力まず」で、本格的に緊張度の高いパーティーなら、シャツとボウタイに代えて、ボトムも黒にしてトーンを揃えればOK。もちろんチーフを白のスクエアにして、靴をオペラパンプスにすれば完璧です。

黒のベルベットはツヤ感があって夜のシーンに相応しい素材感なので、パーティーからカジュアル(普段着)まで幅広く着こなせるもの。一着クローゼットにあると本当に便利に使いこなせます。

 

 

Tuxedo Style インターナショナルに通用するアップデートした着こなし方

 

ポール・スチュアートのショールカラーのタキシード、実は黒ではなくミッドナイトブルーです。かのハーディ・エイミス卿がミッドナイトブルーについて語ったように、夜のシーンに黒より黒らしく、さり気なく主張があるところが気に入っています。

 

 

 

 

 

 

 

今回は、オーセンティックなタキシードの着こなし方と、インナーにカジュアルなカットソーを合わせたこなれた着こなしを紹介します。自分はタキシードにTシャツを合わせたりする自由な着こなし方が好きで、普通のスーツではできない合わせ方ができるのが大きな魅力です。

 

 

Blazer Style 昼間のパーティーシーンに凜々しく映える紺ブレの真の実力

 

いわゆる紺ブレというとトラッドの定番というイメージがありますが、こちらも実はカジュアルからデイフォーマルまで通用するとても便利なアイテムです。昼間のパーティーなら、ネイビーブレザーにボウタイ、そしてホワイトフランネルという正統的な着こなしでOK。ブレイシーズ(サスペンダー)などに遊びを効かせると、脱いでもカッコイイものです。

 

 

 

 

 

ポール・スチュアートはインターナショナルなショップなので、男性のTPOの装いが一通り揃います。特にフォーマルに関しては、着こなしが分からなかったらショップスタッフのアドバイスを参考にしてください。「こういうシーンで、こういう場と時間に着る」と言っていただければ、正しい装いをお教えいたします。あとは、胸を張って堂々と会場に入っていってください。

ポール・スチュアートでは、これからフォーマル・パーティーウェアにも力を入れていく予定で、ワードローブの充実はもちろん、アクセサリー類も含めて揃えていきたいと考えています。特にまだタキシードをお持ちでない方は、この機会にぜひ。多少の見栄を張ってもタキシードを持っていると、「これを着る機会を作るぞ」と公私ともにやりがいを感じるのが男です。

次回、STYLE LESSON for MEN Vol.2~鴨志田康人流ウェルドレッサー術~は、「真冬を楽しむメンズ小物」を取り上げます。お楽しみに。